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ぽかぽか春庭「花・宮本三郎美術記念館」

2023-06-04 00:00:01 | エッセイ、コラム


20230604
ぽかぽか春庭アート散歩>2023アート散歩6月(1)花・宮本三郎記念美術館

 ミサイルママを誘って、宮本三郎記念美術館で花の絵を観賞。ミサイルママはパステル画のサークルに入って、今は名画の模写を続けて絵の練習をしています。

 宮本三郎記念美術館は、世田谷美術館の分館で、宮本三郎自宅兼アトリエにしていた土地を譲り受け、展示室と講座室を建てた、という小さな美術館です。2020年には、娘と「描かれた女性たち」という特集展示を見ました。
 今回の「花」の展示もとてもよかったです。



宮本三郎記念美術館の口上 
 仕事に疲れると花屋の店を一巡して回る。私の近くには花屋が七、八軒もある。
花は季節を早く知らせてくれる。 ー宮本三郎「花」『繪』(通巻第5号・1964年7月号)より
 洋画家・宮本三郎(1905-1974)が生涯を通じて愛したモティーフのひとつ、花。奥沢の自宅兼アトリエで送った生活と制作の傍らには、常に花がありました。初期の作品には、人物画や静物画を構成する要素として、花瓶に生けられた花が穏やかなタッチで丁寧に描かれましたが、次第に花そのものが主役となる機会が増えると、表面的な美しさや形態の再現にとどまらず、よりその実体や本質を追求するかのような試みが展開されます。やがて1960年代後半にもなると、宮本の花は、鮮やかな色彩と力強いタッチによって画面を覆いつくし、花自らがひとつの生命体であることを主張し始めるのでした。それは、動かないもの、命のないものという意味での「静物=StillLife」を超え、自律する存在として鮮烈な輝きを放っています。またこの変化は、宮本が描く女性像の変遷――他者から視線を注がれる対象としての女性から、個としての主張と生を漲らせた存在としての女性へ――にも重なります。宮本三郎が「花」を描いた作品を中心に、時代ごとの女性像を織り交ぜつつご紹介します。



 宮本の描く花も女性像も、とても色彩が鮮やかで華やかです。ミサイルママはベンチにあった図録を見ながら「ずいぶん画風が変わっている画家さんね」と、戦争画の時代の作や戦後の作品をふりかえっていました。


<つづく>
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