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ぽかぽか春庭「お豆腐料理を食べながらウズベキスタンのりこ学級の話を聞く」

2023-06-17 00:00:01 | エッセイ、コラム
20230617
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2023文日記6月(6)お豆腐料理を食べながらウズベキスタンのりこ学級の話を聞く

 6月7日水曜日「元職場会」。3月末で日本語学校を退職した3人が集まり、おしゃべり会を楽しみました。
 新宿京王百貨店の豆腐料理店。お豆腐料理と天丼のセットランチをいただきながら、4月からの新生活報告会です。

 新宿吉座の豆腐膳 


 40㈹のH先生は、前よりももっと自宅に近い日本語学校で日本語教師を続けています。週4日の出講で、今の学校はネパールやベトナム、インドネシアなどの非漢字圏出身者が多く、中国人学生がほとんどだった3月までとは異なる環境での日本語教育になったことを報告してくれました。また、お子さんのPTAの役員になってたいへんだ、という話題も。制服などのリサイクルをPTAでやろうという部署の担当になったのだけれど、みなそれぞれの意見があり、リーダーとしてまとめていくのがたいへんだ、というお話でした。

 50代のS先生は、娘さんが高3で受験がたいへんだということでした。現在は、ふたつの地区で小学校日本語教室講師をしています。
 「日本に滞在して働いている親御さんに連れられて来日し、日本の小学校に入学したけれど、日本語を話せないという子どもへの日本語教育」を受け持ち、子どもへの日本語教育を実践しています。ひとつの教室にさまざまな背景の国の子どもがあつまり、日本語学校での大人への日本語教育と異なるむずかしさとやりがいがあります。ロシア語も英語も堪能なS先生なので、子どもたちへの日本語教育も楽しく授業が進んでいくだろうと思います。

 S先生は3月の春休みを利用してウズベキスタンへ旅行してきた話を伝えてくれました。
 ウズベキスタン・リシタン市に「無料で日本語を教える学校」があります。リシタンは、ウズベキスタンの首都タシケントから車で5-6時間かかる町。この町に1999年に小さな日本語私塾を立ち上げたのは、建設機械コマツのエンジニアだった大崎重勝さんと妻の紀子さん。
 ウズベキスタンフェルガナ盆地の他の街にできた自動車工場で重機操作を指導するため、ウズベキスタンと日本を行き来しコマツを退職する際に、退職金を元に、妻の紀子さんと開いた学校だ。学校名は、紀子さんから取り「のりこ学級」といいます。

 のりこ学級は、大崎重勝氏亡き後も、現校長のナジロフ・ガニシェル氏が引き継ぎ、今年で24年目を迎えます。冬は暖房もない施設なので、生徒数はわずかになり、残った生徒を先輩が教える、という形式ですが、春から秋は日本からやってくるボランティア教師が授業を担当します。

 S先生は、ボランティア日本語教師としてのりこ学級を訪問したのです。
 すばらしいお話をうかがい、たいへん感銘を受けました。テレビで報道されたり、新聞の記事になったりしたこともあるのりこ学級ですが、私はまったく知らなかったです。
 のりこ学級は大崎さんの退職金を元に設立されたとはいえ、24年たった今は資金もつき存続が危ぶまれてる中、ボランティアの活動や寄付金によって支えられています。
 ウズベキスタンの伝統的刺繍スザ二を現地の女性と共に作り上げ、日本で売る「kumiko」という会社は、のり子学級と共同でクラウドファンディングをおこなっている、という記事も読みました。いい取り組みだなあと思います。
 クラウドファンディングやボランティア教師の募集。リシタン市までの旅費自弁。のりこ学級に滞在中の宿泊費30ドルは、学校運営費に充てられる。宿泊場所と食事は支給される、ということですが、はるばる自弁でリシタンへでかけ、日本語を教えるという時間を過ごすこと、きっとすばらしい経験になると思うのです。若い人にも、退職後になにもすることが見つかっていない、という人にも、多くの人に日本語教育を体験してもらいたいなあ、と思いました。私?まずはこの先の食費をかせぎ、それからリシタンへの旅費をまかないたい。リシタンに着く前に飢え死にしませんように。
 S先生H先生、無職無収入の退職教師においしい豆腐料理をごちそうしてくださり、ありがとうございました。

<つづく>

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