20230624
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2023文日記梅雨(2)梅雨時の街
通勤の行きかえりに利用してきた最寄り駅。朝、6時46分発の電車に乗ります。駅までの道、7時開店のコンビ二もまだ朝の開店準備中だし、ATMもシャッターが上がる前。目覚める前の町の姿を見て電車に乗っていました。夜はもう真っ暗になってからの帰宅。
昨年一昨年と駅前のビルの入り口に燕が巣を作っているのに気づきました。今年も来ているかなと眺めたら、いました!
今年の小燕。かわいいです。親燕はせっせとエサの虫を運ぶのたいへんだろうけれど、元気に巣立つといいな。駅周辺にはとなりの駅前の大学敷地が続いていて樹木がたくさんあるので、木につく虫も多いと思うので、民家の軒先は烏に狙われることがないので、子育てにはいい場所です。もうだいぶ大きくなっているので、巣立ちも間近かな。
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朝早く出かけ夜暗くなってから駅を通る生活が終わって、昼間の街を眺めることができるようになりました。マックもスタバもない駅前。パン屋焼き鳥居酒屋蕎麦屋ラーメン屋。贔屓にしたい魅力的な店はなかった。
お酒飲まないので焼き鳥屋には入りにくいし、蕎麦屋はちょっとお高い店。何回か寄ったけれど、アンチグルメの舌には、駅中の立ち食いソバに比べて値段は3倍でも味は1.5倍だと判定。ラーメン屋は、洗い方が不十分で、乾燥した薬味のネギがこびりついている丼でラーメンを出されて以来、入る気になれない。
駅前の八百屋は私の帰宅時刻には閉店してしまう早仕舞の店だったので、土曜日にお出かけから早めに帰宅できた時だけ買い物ができました。愛想のいい店員さんが接客していたみどり屋という長年続いた八百屋が撤退したあとに、若い店主が居抜きで入りました。この店、店主は「ふだんはロックやっています、本業はロッカーで八百屋は生活のため」という雰囲気の方で、「こだわってやっています」という品ぞろえも、私の好みに合わなかった。店主の雰囲気が合わないので、バイト店員が店番のときだけ野菜を買っていました。安いか品が特別にいいか、店の雰囲気がいいか、という特徴があれば買い続けたのでしょうが、たぶんほかのお客の気持ちも私と似たようなものだったのかもしれません。1年でつぶれました。
八百屋がつぶれたあと、何になるのかなと見ていたら、内装工事をしているので「ここは次になんの店になるのですか」と尋ねました。「カフェを6月ごろオープンする予定です」という答え。
6月14日に駅前を通ったら、カフェがオープンしていました。イヨクコーヒーという店。店主が一杯ごとに豆を挽き、ドロップペーパーで丁寧に淹れるコーヒー専門店。月曜日にプレオープン。火曜日に開店。私が立ち寄った水曜日は新開店2日目。
開店を祝う花。
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先客のおばさんふたりがカウンターに並んでコーヒーを飲みながら「最寄り駅に帰ってきて、ほっとできる場所があるっていいわね」と、おしゃべりしています。カウンターに座れるのは4人。壁際に並んだ椅子は3脚ですが、うち1脚にはアルコール消毒液が載っている。テイクアウト客を見込んだ店なのでしょうが、この駅の周辺にコーヒーの味めあてにテイクアウトしていく層はそんなに多くないと思ってしまいます。
駅から降りてくる乗客は、みな新しい店がなんの店なのか覗き込み、コーヒーの値段を見て立ち去ります。ブレンドコーヒー550円。メニュー表の豆をひいてもらうコーヒーは700円800円するので、店には入ってこない。駅から家に帰る前にほっとする費用として800円は、この近所では高いのです。隣の駅は駅前が大学。もう一つの隣は買い物やデートで若者がにぎわう町。その中間の最寄り駅は、一度は廃駅案が鉄道会社から出されたという、住宅街の中の小さな駅です。乗降客は古くから住んでいる高齢者が多い。アパートやマンションよりも戸建ての家が多い地域なので、若い人は引っ越ししてきにくい町です。
淹れてもらったブレンドコーヒーはたしかにおいしかったけれど、私も「駅おりてほっとする時間」のために飲むのは、月に1回もないかもしれない。駅から歩いて2分で自宅ですから、家でインスタントコーヒー飲んでもほっとできます。そんなこんなで、次にこのカフェに入るのはいつになることやら。
店長さんが選び抜いた豆で淹れるコーヒーは絶品です。
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カップがすてきなので、おたずねすると、奥さんのお父さんが陶芸家でお父さんが作ったコーヒーカップなのですって。店名は、奥さんの旧姓。お父さんの名前伊与久充章氏のカップに寄せて。とても口当たりのよいカップで、「充」のサインが入っていました。
ミニテーブルにコーヒーを置いて、壁側の椅子でブレンド(キリマンジャロ+秘密)を飲みながら、開店にこぎつけるまでの話などうかがう。
店内の壁には知り合いの画家が描いたという現代絵画やイラストがかけられていて、値段がついています。月替わりくらいでミニギャラリーとして作品発表をしてもらうという話。
駅の改札を出て駅前の交差点を渡れば店。普通に歩くと徒歩10歩。(スキップ5歩)ばーさんよたよた15歩。駅の目の前という立地のため、狭い店でも、1か月15万円の家賃ということまで聞き出しました。光熱費やら仕入れ費用やらで、550円のコーヒーを一日に何杯淹れれば店が維持できるのかな。長く続けられる店になりますように。
営業時間:平日朝6時半~13時。16時~19時。土日は10時~17時。
店主さんも奥さんもすてきな方で、ご贔屓にしたい店でしたが、失業中の73歳が立ち寄れるのは、次はいつになるかな。
550円あったら、コーヒーじゃなく晩ご飯のお弁当500円のものが半額になったのを2つ買う、といういじましい生活が続きそうです。
小燕もイヨクコーヒーも、がんばれ!
<おわり>