
20230806
ぽかぽか春庭アート散歩>2023アート散歩炎帝(1)谷内こうた風のゆくえ展 in ちひろ美術館
コロナ禍により休館していたちひろ美術館。久しぶりにお出かけしました。今のすまいから、遠いです。中井まで都営大江戸線、西武線にのりかえて上井草まで200円。上井草から徒歩10分なのですが、前には出ていた駅からの案内板がない。スマホ地図を見ながら暑さの中、ようようたどり着きました。コロナ休館中に案内板をすべて撤去してあったのだそうです。再開したのだから、案内板も復活してほしいところ。
暑さからの回復するために、飲み物片手に2階のビデオコーナーで黒柳徹子が語る「ちひろ美術館とわたし」を見てすごす。
てつこさんは、「あの画家に会いに行きたい」と思っているうちに、ある朝、いわさきちひろ逝去の新聞記事を読んで、会ったこともない人なのに、悲しくて号泣したという当時のエピソードを語っていました。
いわさきちひろ(1918 - 1974)56歳の生涯は長いとはいえない人生でしたが、死後50年たつ今も人気の高い絵の数々。東京の自宅跡地に建てられたちひろ美術館も、とても心地よい場所でゆったりすごすことができます。
東京には大名庭園も大富豪庭園もいろいろ残されていますが、ちひろ美術館の庭はこじんまりとしていて、テラス席でお茶を飲むのにほっとひといきできる場所です。今回は暑すぎて、ロビー席でのお茶でしたが。

谷内こうた(1948-2019)は、叔父谷内六郎のすすめにより、若いころから絵本作家イラストレーターとしてデビュー。順調な画家人生をスタートしました。71年の生涯のうち、大半をフランスルーアン市を中心とするヨーロッパで家族とともにすごしました。アトリエでの制作はルーアン、発表は日本、という生活でした。今回は没後最初の回顧展です。
これまでは、谷内こうたの作品、絵本で見てきました。
「なつのあさ」を、娘に何度読み聞かせしたことか。だっだっしゅっしゅ、という汽車の音を読むと、どの子も笑顔になると思います。
会期:2023.6.24 - 2023.10.1
展示室前

展示室内

谷内こうたの油絵タブローを見るのははじめてです。
海辺の親子 1998

レストラン 1997

絵本やイラストの仕事も素晴らしいですが、叔父谷内六郎は、油絵タブローを描くことを強く勧めました。絵描きは油絵を描いて認められるという時代でしたから、売れっ子イラストレーターは、画家の仲間にも入れられず、六郎は差別も味わったからです。甥の鋼太には、油絵を描かせたかった。こうたはフランスを中心に油絵を描き、日本での発表も続けました。
ノルマンジーの家 2003

花りんご(絶筆)2014 リラの家2012


気持ちのよいちひろ美術館の小さな庭

<つづく>