20230812
ぽかぽか春庭ことばのYa!ちまた>8月15日のことば(1)小さなノート
2020年、アフガニスタン政府は、女性が大学教育を受けることを禁止しました。
いまだ戦火やまぬウクライナで子供たちは学校へ通えるようになったでしょうか。
世界で、受けたい教育を受けられないすべての人に、以下の詩をおくります。
ノートに書き留めてあったので、再録しておきますが、実は いつ誰が書いた詩なのか、不明です。
詩のことばをあれこれ組み合わせて検索しても何も出てこないので、「詠み人知らず」にしておきます。原作者をご存じの方がいたら、お知らせください。
小さなノートを抱きしめる
少女はうれしくてたまらない
町の学校が再開された
道に瓦礫は残っているけど、学校には机も黒板もある
女の子も学校へ行っていい
はじめての学校、ともだち、字を教えてくれる先生
黒板の文字
右から左へ 上から下へ 下から上へ
点々をつける 長く伸ばす お碗のように丸めて、、、
インサン(人間)と先生が書く
先生が黒板に書いたとおりに、一生懸命、少女もインサンと書く
消しゴムは買えないから、まちがえないように、ひとつひとつ丁寧に
ウム(母)と先生が書く
先生のお手本通りに、少女は心をこめてウムと書く
少女のウムは爆撃で死んだ、でもこうやって少女は「母」と文字をつづっている
ジャイシュ(軍隊)と先生が書く
少女の顔が曇る
ハルブ(戦争)と先生が書く
少女は鉛筆を下におく
小さなノートに、いっしょうけんめい書き綴ることば
消しゴムは持っていないから、消したくなる言葉は書きたくない
消しゴムはいらないんだよ
明日、爆弾が落ちてきたら
先生が黒板に書いた文字も
少女がノートに書き取った言葉も
全部消えてなくなるから
父の体が砲撃に飛び散ったように、母の体が瓦礫の下に埋もれたように
少女の書いた小さなノートも明日は飛び散るかもしれないのだから
消しゴムで消さなくてもいい
少女はrabi'「春」と書く
wi 'alekumu saalam「あなたの上にも平安あれ」
少女はうれしくてたまらない
町の学校が再開された
道に瓦礫は残っているけど、学校には机も黒板もある
女の子も学校へ行っていい
はじめての学校、ともだち、字を教えてくれる先生
黒板の文字
右から左へ 上から下へ 下から上へ
点々をつける 長く伸ばす お碗のように丸めて、、、
インサン(人間)と先生が書く
先生が黒板に書いたとおりに、一生懸命、少女もインサンと書く
消しゴムは買えないから、まちがえないように、ひとつひとつ丁寧に
ウム(母)と先生が書く
先生のお手本通りに、少女は心をこめてウムと書く
少女のウムは爆撃で死んだ、でもこうやって少女は「母」と文字をつづっている
ジャイシュ(軍隊)と先生が書く
少女の顔が曇る
ハルブ(戦争)と先生が書く
少女は鉛筆を下におく
小さなノートに、いっしょうけんめい書き綴ることば
消しゴムは持っていないから、消したくなる言葉は書きたくない
消しゴムはいらないんだよ
明日、爆弾が落ちてきたら
先生が黒板に書いた文字も
少女がノートに書き取った言葉も
全部消えてなくなるから
父の体が砲撃に飛び散ったように、母の体が瓦礫の下に埋もれたように
少女の書いた小さなノートも明日は飛び散るかもしれないのだから
消しゴムで消さなくてもいい
少女はrabi'「春」と書く
wi 'alekumu saalam「あなたの上にも平安あれ」