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ぽかぽか春庭「万愚節」

2024-04-02 00:00:01 | エッセイ、コラム

20240401

ぽかぽか春庭ことばのYaちまち>2024歳時記春夏(1)万愚節

 4月1日に「笑える嘘、人を楽しませる嘘」なら言っても許される、というエイプリルフールを実践する人、どれほど残っているでしょうか。かっては公共放送が局を挙げて「火星人が攻めてきた」と、ニュースを流して国中をパニックに陥れた、なんていう大がかりな嘘もあったようですが、現代ではうっかり冗談もいえないコンプライアンス優先の社会ですから、笑って許してくれるのは、特別親しい友人か家族くらいのものになったでしょう。

 堅苦しいキリスト教社会の中で、秋の万聖節に対するものとして春の万愚節エイプリルフールがおかれたともいわれるが、その発生には諸説ある。定説なし。日本では、クリスマスやハロウィーンが短い期間に浸透拡散した輸入行事であったのに比べて、エイプリルフールはそれほど浸透しなかったように思います。

 季語としては、エイプリルフールというカタカナ語と万愚節という漢字語、四月馬鹿という語がそれぞれに歳時記搭載されています。

・万愚節すぐや凍土の零番地  角川源義 

・寧馨児あへなく四月馬鹿となる 日野草城 

 初めて見た「寧馨児」という語。麒麟児と同じ、すぐれた子供、神童。「寧馨」は、中国の晋・宋代の俗語で「このような」という意味。歳時記は、知らなかったことばも教えてくれる。

・年金で生き抜けぬ世の老いの身を笑うしかないエイプリルフール 春庭

<つづく>

コメント (2)
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