
(展示室頭上の壁面のパネル)
20241121
ぽかぽか春庭アート散歩>2024アート散歩秋(8)野見山暁治展後期 in 練馬区立美術館
練馬区立美術館での野見山暁治後期展示、行きたかったけれど、ちょい遠いなとか、前期展示はyokoちゃんがお連れで観覧後のおしゃべりもできて楽しかったけれど、yokoちゃんが野見山を気に入ったかどうか判断つかなかったので、後期の観覧お誘いが正解かどうか判断つかず、後期はあきらめようかと思ったけれど。なんせ75歳以上は無料だし、野見山の絵は、後期の抽象画が野見山らしいと思うし、えいやっと、おひとり様で11月13日に観覧。
4章 風景を見つめて1964-1990年代
1969年に再婚後、糸島と練馬のアトリエを往復する生活は、野見山の画業ものっていた時期と思われます。1981年に芸大を辞職したあとは、好きな絵を好きなように描いていました。一度売り渡した絵が展覧会などに出品されたあと、アトリエにもどされる機会があると、また手を加え、絵を返却された持ち主が「この絵は私の持っていた絵じゃない」と言い出すほどでした。
「森」1969 「知らない季節」1970


「異邦人」1973 「海坊主誕生」1978


「浮かぶもの」1979頃 「山の上」1980


「ある日」1982 「創世のはなし」1994


「目にあまる景色」1996

5章 うごめく風景2000年代
野見山は、練馬と糸島のアトリエで、複数の絵を同時進行して描くことが多く、横長のキャンパスに描いていた絵を出展するときには縦長に変えてしまうなど、自由な絵筆でした。↓の「束の間」も、2004年から2016年までおりにふれて筆を入れた作品です。
「思い出すこともない」2008頃 「束の間」2004-2016


野見山は、個人所蔵の絵が展覧会などに貸し出された後、アトリエに戻される機会があると、どんどんと手を入れ、絵の具を足したりはがしたり。持ち主に返却されたとき「これは私が持っていた絵じゃない」と怒り出す、というぐらい、自作を「永遠に完成はしない」と思っていました。
「当てにはならない」2021 「題不詳」(最後までアトリエに残されていたうちの1枚)2023


練馬のアトリエの一部再現

入り口に入って最初に目に入る「思い出すこともない」の絵の前で。

野見山暁治の17歳から102歳までの画業、すばらしい展示でした。練馬区立美術館は、これから改修立て直しになるそうですが、館所蔵品の展示があるときはまた野見山の特集を並べるでしょうから、きっとまた会える。それまで「思い出すこともない」なんてことなしに、ときどき見たくなると思います。
アンケートに書いたのは「75歳がよれよれと練馬まで来るのはたいへんだった。前期後期いちどに見たかった」
<つづく>