20241124
ぽかぽか春庭アート散歩>2024アート散歩秋の工芸(1)ルネ・ラリック in 近代美術館
旧近衛師団本部にあった近代工芸館が金沢に移転して以来、近代工芸に親しむ機会が減りました。江戸時代までの工芸は東京国立博物館本館にありますけれど。
近代美術館常設展示の一角にルネ・ラリックの小特集がありました。
関西の実業家井内英夫美佐子夫妻が収集したコレクションは、ほぼすべて国内の美術館に寄贈されました。
私は根がひがみ者ですから、富にあかして収集して囲い込む金持ちや、値段があがることだけを楽しみにオークションで落札するようなコレクターによい感情を持っていません。しかし、図書館員と郵便局員の夫婦がこつこつと給料の中から現代美術を買い集め、すべてを美術館に寄贈した、ハーバートとドロシーのヴォーゲル夫妻とか、尊敬するコレクターもいます。井内夫妻のことまったく知らなかったですが、夫妻は財団を設立し、ミャンマーをはじめアジアの留学生を支援する団体も運営していると知り、お金を儲けるだけでなく、使い道を知っている経済人と尊敬できます。バカ息子がマカオあたりで、一晩で5億円もすったりする金持ちに爪のアカでも飲ませたい。
と、金持ちへの妬みひがみはさておき。井内夫妻のコレクション。ルネ・ラリック。
「花瓶つむじ風」1926 「花瓶野ウサギ」1923


「花瓶ダリア」1923

「花瓶カワセミ」制作年不詳 「花瓶いんこ」制作年不詳


「香水瓶アンバーアンティーク」1910「香水瓶四匹のセミ」1910 「香水瓶美しい季節」1920「香水瓶ツバメ」1920「香水瓶光に向かって」1926





「カーマスコット」1928 「カーマスコットロンシャン」1929


カーマスコット、庭園美術館にも同じものが飾られていました。朝香宮邸の車はどんな車種だったのでしょう。
ラリックの展示はあちこちで見てきましたが、井内夫妻のコレクションも収集家の情熱がガラスから伝わってきて、冷たい無機質のガラスなのに、ラリックが目指した新しいガラスの表現、技法の苦心の情熱が伝わってくるような気がしました。
<つづく>