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ぽかぽか春庭「卯の花腐し」

2017-06-04 00:00:01 | エッセイ、コラム
0170604
ぽかぽか春庭ことばのYaちまた>梅雨のことば(1)卯の花くたし

 留学生からのコミュニケーションについての質問。
 「マンション、アパートなどで何度か顔を合わせてはいるけれどそれほど親しい仲じゃない日本の人に「おはようございます」「こんにちは」の挨拶をした次に、何を話したらいいか」という質問に、「とりあえずお天気の話題を出す」と、答えています。
 お天気、そして季節の話題。無難です。

 暑い、寒い、風が強い、花が咲いた、雨が降った止んだ。とりあえず、お天気、季節。6月になれば、当然話題は梅雨です。

 日本人学生のクラスで、もっと突っ込んでお天気と日本文化の話に入れば、季語季題の紹介。日本語母語話者であっても、最近の暑いときは冷房寒いときは暖房。花やら紅葉を見るヒマがあったらラインチャットかゲーム、という学生には、ゴールデンウィークは知っていても「卯の花くたし」なんてのは、外国語と同じ。

 太陽の角度が80度になる時を暦の上では「入梅」とし、おおよそ6月10日前後。立春から135日目に当たる日を「梅雨入り」としてきたとのことですが、むろん、気象での厳密な定義ではありません。毎年、さまざまな気象の条件によって、降り出したり降らなかったり。今年2017年の梅雨入り予報、関西は6月7日前後。関東はそれよりあと。梅雨入り、ついり、音読みでは「入梅にゅうばい」。

 本格的に梅雨に入る前の長雨、季語では、五月中旬から六月上旬、梅雨に入る前のじとじとした霖雨を「卯の花腐し(うのはなくたし)」と呼ぶ。
 旧暦卯月。卯の花が咲いたと思ったら長雨にあい、花がしおれてしまう卯の花くたし。

水の面に卯の花腐し今繁く 高浜虚子
卯の花腐し君出棺の刻と思ふ 石田波郷
ひと日臥し卯の花腐し美しや 橋本多佳子
癒え遅々と卯の花腐し湖に降る 野見山朱鳥 

 仕事が火曜日と水曜日だけになった今年。どうか、火曜日と水曜日は雨にならないよう、勝手にお天気の神様に祈っています。梅雨になっても、火曜と水曜は梅雨の晴れ間でありますように。

<つづく>
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ぽかぽか春庭「水織ゆみ30周年記念リサイタルin北とぴあ」

2017-06-03 00:00:01 | エッセイ、コラム

水織ゆみ30周年記念リサイタル

20170603
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>薔薇のコンサート(2)水織ゆみ30周年記念リサイタルin北とぴあ

 金曜夜は、ジャズダンスの練習日ですが、ミサイルママとふたりしてお休みしました。ジャズダンス仲間の歌手、水織ゆみさんの歌手デビュー30周年記念コンサートに行くためです。

 水織さんは、私が水曜日午前中のジャズダンスサークルに加わったとき、1984年にはまだ「歌の上手な主婦」でした。ゆみさんは、私より2歳か3歳年上の、フラメンコもジャズダンスも上手な、すてきな先輩でした。

 シャンソンコンクール優勝を経て、1987年、第1回るたん・シャンソン・フェスティバルで歌手デビュー。プロ歌手デビューを果たしたのは、40歳すぎから。え~、それから30周年ってことは、今年?
 30周年記念コンサートのステージに見るパワー全開の姿は、若さあふれ、きれいで、30代で出会ったときのままの魅力あるゆみさんでした。

 ゆみさんが他の歌手と違うところ。シャンソンのフランス語や英語ポップスの訳詞を自ら手がけ、日本訳詞家協会理事もなさっている才女であり、舞台の演出やトークもすべてご自身でなさっている、という点。セルフプロデュース力が抜群です。
 観客を引き込み、笑わせ、しんみりさせ、歌に酔いしれる。2時間半があっという間に感じられる、すばらしいステージでした。

 トークで「会場いっぱいのお客様。どなたも、なんらかのつながりのある、お知り合いばかりです」と言っていらした。フラメンコのお友達、コーラスの仲間、ジャズダンスサークルのメンバー、元メンバー。出身校の女子高校(都内NO.1のところです)や慶応大学の同窓生、クラスメート。各地のシャンソン教室のお弟子さん達。PTAの仲間だった人たち、、、、少しの間でもゆみさんとつながりを持った人は、だれでもそのお人柄に惹かれ、「私こそがゆみさんのNo.1のファンなのよ」という気持ちになってしまうみたいです。
 並んで席をとってもらった私とミサイルママも、30年間変わらぬファンとして舞台を楽しみました。

コンサートプログラム


 第1部
1急流 2ボレロ 3一籠のさくらんぼ 4ニューヨークニューヨーク 5シャンソンメドレー 6思い出みつめて 7アプレトワ 8 ブエノスアイレスのマリア 9 リベルタンゴ 10コメプリマ
第2部
1路面電車 2北区我が町 3さようなら 4街 5さあ仲間達 6皿亜人性7ラボエム8いのちの唄 9マイウエイ 10ルフラン

「路面電車」と「北区我が町」では、背景に都電や街の風景。北区に嫁いできて住み続けた地元になじんでいるゆみさんの写真が写されました。

 昨2016年夏に、突然の病気でご主人を見送ったゆみさん。ご主人が去ったあと、その憔悴ぶりに、身近な人たちも「立ち直れるのかしら」と心配するほどだったそうです。でも、若い頃はヨットマンとして活躍なさったご主人の希望通り、海への散骨を終えたころから、少しずつ気持ちを切り替えて元気を取り戻し、30周年の記念コンサートも盛大に開催の運びとなりました。

 白い衣装に天使の羽をつけた姿で登場して、ご主人の魂に扮し、近しい人を失ったすべての人へのメッセージとして歌った歌、こころに染みました。
 最前列の真ん中の席に、亡きご主人の席を設けたことをトークでもおっしゃっていました。

 コンサートが終わってからミサイルママとケンタでおしゃべり。そこに、水曜日ジャズダンス仲間のヨーコさんがお知り合いの方々といっしょに来ていました。
 ヨーコさんのお知り合いの方のひとりは、「スタンドマイク役」としてゆみさんに舞台に引っ張り上げられた方です。両手でカスタネットを打つから、マイクを持てないと言って、スタンドマイクのかわりにマイクを持って立っている係、というのです。カスタネット打ちつつ歌い踊るゆみさんに翻弄されながらも、マイク役をつとめた男性。ゆみさんのカラみ具合がほんとうに愉快で、大笑いしながらみていました。

 マイク役の方に「すてきな舞台でしたよ」と声をかけたら「ほんとうにいきなりだったので、びっくりしました」とのこと。事前のうちあわせくらいあったのかと思ったのですが、まったくの「突然」のことだったようで、素人の扱いがほんとうにうまい、演出力に富むゆみさん。ゆみさんの舞台作りの力量のすごさを感じました。
 
 私は、普段着で気さくに話してくださるゆみさんも大好きですし、舞台の上で輝き続けるゆみさんも尊敬しています。
 「次は35周年記念コンサートやります」とおっしゃり、アンコール曲「友よめざめよ」を歌っておひらきに。
 すばらしい舞台構成、すばらしい歌声でした。


youtubeに出ている水織ゆみさんの歌声。5月26日でも歌われた曲をUPします。

ゆみさんの人生を思わせるマイウエイ
https://www.youtube.com/watch?v=WwV86C_1h34

アンコールで歌われた「友よ目覚めよ」
https://www.youtube.com/watch?v=c9G3hZC7QdM

 以下のコメントをゆみさんの「ファンの声」に投稿したのですが、よくわからないけれど、反映されていなかったので、自分のサイトに投稿しておきます。

ゆみさん、30周年記念リサイタル大盛況、大成功、おめでとうございます。
ほんとうにすばらしい舞台でした。
ジャズダンス仲間といっしょに拝見し、笑ったり、涙ぐんだりの2時間半。贅沢な時間であり、心が満たされたひとときでした。

ゆみさんの30年の歌手生活をお祝いする気持ちとともに、30年以上も、ジャズダンス仲間としてご一緒させていただいたこと、ありがたく感謝申しあげます。

これからの、35周年40周年50周年も、楽しみにしていますので、どうぞ、おからだご自愛のうえ、すばらしい歌声を届けてくださいませ。


<つづく>
コメント (7)
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ぽかぽか春庭「綱川泰典フルートコンサートin旧古河庭園」

2017-06-01 00:00:01 | エッセイ、コラム
20170601
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>薔薇のコンサート(1)綱川泰典フルートコンサートin旧古河庭園

 5月27日土曜日、旧古河庭園に出かけました。
 みどりの日に古河庭園に行ったときは、まだバラはほとんど咲いていませんでした。バラがちょうど見頃のころ、土日は仕事疲れを休めるだけで出かける気になれず、ようやく27日に出かけたら、大半のバラは咲き終わっていました。それでも何種類かはきれいに咲いていたので、バラを楽しみつつ、もうひとつのお目当ての「芝生広場での無料コンサート」を楽しみました。

 5月27日の出演者は、綱川泰典さん。自己紹介でもおっしゃっていましたが「視覚障害、全盲のフルート奏者」です。伴奏のキーボード演奏者酒井亮さんも全盲です。
 目がご不自由な方、ピアノの辻井伸行さんも、バイオリンの川畠成道さん和波孝禧さん、皆さん、目が不自由な分、いっそう音への感性がすぐれているのだろうと思います。

 天性の音感の良さはあるとしても、楽器の演奏に卓越するためには、並々ならぬ努力があってのこと。綱川泰典さんも、これまでさまざまな苦難を乗り越えてフルート奏者として活躍なさっているのだろうと思います。

 私は、12時からの1回目コンサートに遅れて到着し、バラの曲メドレーから聞きました。
 バラメドレーの曲目は、バラが咲いた、のばら、夏の名残のばら、酒とバラの日々、ローズ。
 パンフレットの曲目名を見て「夏の名残のバラThe Last Rose of Summer」って知らないなあと思っていたら、日本の音楽教科書では「庭の千草」として知られている曲でした。
 「ローズ」もフルートの響きによく合っていました。この曲も耳になじんでいる曲。あれ?映画『ローズ』は見たことないのに、どうして私口ずさめるのかしらと思っていたら、ジブリアニメ『思い出ぽろぽろ』のエンディングで都はるみが歌った歌を気に入って歌っていた曲でした。

 バラつながりで、「ベルサイユのばら」アニメ版の主題歌「薔薇は美しく散る」。アニメソングから「アンパンマンのうた」「ルパン3世」
 綱川さんの自作曲「絆」。
 最後の曲は「情熱大陸」。私は、葉加瀬太郎のバイオリンよりずっと好きでした。作曲もなさっているので、ルパン3世や情熱大陸のフルート版アレンジもご自身でなさったと思うのですが、すてきな編曲でした。

 アンコールは観客の手拍子を交えたラディッキー行進曲。綱川さんのMC、ユーモアのある楽しいしゃべりで観客をのせていました。

 綱川さんの語りでひとつだけ気になったこと。「みなさん、バラの花をお楽しみになったことと思いますが、私はバラを見ることができません。でも、風にのって、かすかにバラの香りがしてきました」

 春庭は嗅覚が弱く、かすかな香りというのは感じないほうです。バラ園のバラ、最盛期にはバラの香りも強いのでしょうが、盛りをすぎた5月27日には、ほとんど香りもありませんでした。それが、バラジェラートを買いに、アイス屋の前に並んだら、アイスやジェラートに入れるバラ香料の香りを強く感じました。
 演奏会場の芝生広場にまで風にのってきたのは、この「ジェラートに混ぜ込むバラ香料」だろうと、残念に思いました。
 ローズペタルとローズティのダブルジェラート470円。香りづけに使った香料は、たぶん天然ローズ香料ではなくて、人工香料。

 「バラのかおり」は本物じゃなかったのは残念でしたが、綱川さんのフルートは、本物の、美しい音色。帰り際「すばらしい音でした」と、声をかけ、「コンサート開催などの庭園維持活動」の募金箱に少額の寄付。

 綱川さん酒井さんの、この先の活躍を願って、古河庭園を出ました。
バラの香りのほか、残念だったのは、この日、カメラを忘れたこと。古河邸をバッグにした綱川酒井デュオの写真撮りたかった。
 
 フルート奏者綱川泰典さん(借り物画像です)

コメント (6)
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