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ぽかぽか春庭「太極拳再習」

2017-11-04 00:00:01 | エッセイ、コラム
20171104
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2017十七音日記更けゆく秋(2)太極拳再習

 2007年中国滞在中、3ヶ月ほど太極拳を習いました。赴任先大学内で、学部対抗の「健身操(健身運動大会)」という催しに参加したのです。
 学部対抗のコンクールは、音楽の年があったり、美術芸術の年があったりするらしいですが、2007年はたまたま「学部みなでそろって体操を披露する」というコンクール。

 私が所属していたのは、大学内に校舎があるものの、大学の学部ではなく、中国国家教育省(日本の文科省に相当)直轄の留学生教育機関でしたが、このような大学内の催しには、他の学部と同じに参加しています。2007年の健身操には「太極拳で参加」でした。

矢印の下が春庭。みなの顔が下手を見ているのに、春庭だけ前を見ているのは、前列の先生を見て動くので、左右に顔を向けると動きがわからなくなるから。このときの先生は「書記」でした。書記というのは、中国ではとてもエライ人なのです。


 大学で教育面でトップは学長ですが、大学内政治局でトップの立場にある「書記」と呼ばれる人が教育省直轄である留学生教育機関をとりしきっていました。この「書記」さんは、政治権力でトップであるだけでなく、運動も何をやってもバツグンという人。太極拳も達人。参加者を指導してくれることになりました。私たちが習ったのは、24式。
 「二十四式太極拳」は、各地に各流派が存在していた太極拳を、1956年に中国国家体育委員会が太極拳専門家を統合し、分かり易く練習し易いものに編纂したものです。中国の朝の公園では、どこでも集まった老若男女がやっています。

 日頃運動不足をかこっている日本人教師達6人、習い始めは、足が上がらない手が伸びないと、四苦八苦していましたが、日本でジャズダンス練習を続けていた春庭は、書記の教えになんとかついていき、24式太極拳の動きができるようになりました。
 書記が決めた舞台上の位置は、前列真ん中の書記の斜め後ろ。書記がばっちり見える位置です。個々の動きはできるようになったものの、順番を覚えていない私には、書記の動きを見ながら動けるのでたいへんありがたいこと。

 画面真ん中、身の字の下が春庭


 当日、留学生教育部は入賞できなかったのですが、日本人教師6人は、
特別表彰をうけました。

 表彰式。左がHAL、右が書記


 それから10年。もう24式太極拳もすっかりわすれてしまいました。
 区の広報を眺めていて、10月の土曜日、近所の健康センターで無料の太極拳指導があるというお知らせをみつけました。「はじめての太極拳」というタイトルですが、10年前にやったといっても、もう全部忘れているからいいや、と思って往復葉書で申し込みました。10月の第1,2,3土曜日午前中。

 健康センターでの太極拳、講師の廖峰先生は、埼玉県川口教室で指導をつづけている方。廖峰講師は元太極拳国際チャンピオン、専門は陳式太極拳老架、忽雷架。

 HPで経歴を検索すると。
  廖 峰(リョウフォ)正統陳式 忽雷架 第五代伝人
・中国武漢市生まれ ・武漢市精英文武学校 名誉校長 ・中国武術六段 ・陳式太極拳 第十二代門人 ・四十八式太極棍 第一代伝人 ・南京陳式太極拳研究会副秘書長 ・国際太極拳年会太極拳師 ・日本愛媛武術太極拳連盟 顧問
 という、なかなか立派な経歴の方。日本語も流ちょうで、集まった30人の婆さん爺さんに丁寧にわかりやすく教えてくれました。(婆さん25人とじいさん5人)

 youtube 太極功夫扇を演じる廖峰先生
https://www.youtube.com/watch?v=vHOTBk1K60c

廖峰先生 陳式忽雷架太極拳(第5回太極拳・養生功法発表会)2017.4.6
https://www.youtube.com/watch?v=Y-M-hV2vPXI&t=96s

 24式のひとつひとつの動きの名前の意味を解説し、太極拳の動きはただ動いているのではなく、武術としてきっちり自身を防御し、相手にダメージを与える動きになっていることを教えてくれました。

 おそらく中国でも書記がこのような解説をして教えてくれたのでしょうが、中国語を4つしか覚えられなかった春庭には、ひとつひとつの動きの意味まではわからずに、ただ動きをコピーしていました。
 そのため、手を広げるとき、ヒジをまっすぐに伸ばしてしまっていました。廖峰先生は、武術として相手と対戦したとき、ヒジを曲げていた方が技としての威力が増すことを受講者達に確認させて教えてくれました。

 太極拳の動きは、バレエなどと異なり、見た目の美しさを追求するのではなく、あくまでも拳法としての動きが流れるように舞踊のように見えるのである、ということが、廖峰先生の説明でわかったのです。
 私は中国で習ったときは、見た目だけマネしていたのです。

 これは、語学授業にも言えることだと納得。語学授業に於いて、先生の発音をコピーし、フレーズを丸暗記させることも、指導のひとつの方法です。でも、なぜこう動くのかということを納得して動いたほうが武術としての太極拳がよりわかりやすくなったのとおなじく、語学でも、なぜこういうのか、ということを納得して覚えた方が理解が早いという学習者もいるだろうなあと、思いました。

 隣のばあちゃんが、廖峰先生に「3回ならったけれど、覚えられません」と不満そうに言いました。3回やれば、二十四式が全部覚えられると思っている人もいるんだな。初めて習うというのは、そういうこと。
 バレエ習い始めて3回目で「32回グランフェッテが回れません」とか言う人はあんまりいないし、剣道習い始めて3回めで、「宮本武蔵のように動けません」という人がいないのは、バレエ習い始める前に、バレエの公演を見ている確率が高いし、剣道習う前に剣道試合のひとつくらいは見たことあるだろうから。
 一方、今回の「はじめての太極拳」は、二十四式をテレビなどで一部見た人はいたかもしれないけれど、実際に全部を知って習い始めた人はいない。ラジオ体操のようなつもりで参加した人もいると思います。もっとも、ラジオ体操も奥は深いそうだけれど。

 先生は、「24式を全部覚えるには24ヶ月、2年はかかるので、ゆっくり少しずつ習うのがコツです」と答えていました。質問したばあちゃん、納得したかなあ。

 廖峰先生が川口市で開いている太極拳教室のパンフレットもいただいたのですが、今のところ、私はジャズダンスのレッスン優先。でも、いつか太極拳もきちんと習いたいなあと思いました。

<つづく>
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ぽかぽか春庭「上野公園大道芸大会」

2017-11-02 23:23:23 | エッセイ、コラム

秋晴れの上野公園

20171102
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2017十七音日記更けゆく秋(1)上野公園大道芸大会

 雨の多さで記録を塗り替えたという10月でした。なんだかずっと雨に降られ続け、ようやく秋晴れの空を見上げた10月27日、遠出もままならぬ身のせめてもの公園遊び。一日をひとり楽しくすごすことができました。

 秋晴れの上野公園。美術館めぐりの前に、大道芸大会を見てまわりました。なかなか充実の「東京ヘブンアーティスト」公演。
 スケジュール表が置いてありましたので、私好みの公演を選んで見て回りました。


 最初に見たのは中国雑技団。
 柔らかい身体のアクロバットや椅子を高く積み上げてのパフォーマンス。お見事。

 


 ギターやバイオリン、津軽三味線なども見て、外国からの招待大道芸もありました。

スイスとカナダのコンビ。なかなか愉快なパフォーマンスでした。Les Dudesのふたり


バイオリンと津軽三味線のコラボレーション「沙羅璃」


自分たちで山から竹を切り出してきて楽器を手作りするという東京楽竹団


 前も上野公園で音を聞いた楽竹団。竹の音色、好きです。

 私の大道芸投げ銭基準は、15分楽しめたら百円。見事だと思ったら割り増し。芸人さん達は、盛んに「丸いのも好きですが、四角いのはもっと好き」とおさつを帽子に入れるようアピールするのですが、私は「無料で楽しむ」が基準なので、四角いのは投げない。

 噴水前広場には、食べ物屋さんが店を出していました。
 広島焼きは、ながめただけで、新潟の地ビールと牛肉串焼きで腹ごしらえ。


 おなかいっぱいにしてからゴッホ見にいきました。

<つづく>
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