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ぽかぽか春庭「作文教室-竹のように伸びてゆけして」

2020-08-02 00:00:01 | エッセイ、コラム
20200802
ぽかぽか春庭にっぽにあニッポン語教師日誌>2020教室だより(2)作文教室-竹のように伸びてゆけ

 昨年10月に来日した日本語学習者たち、すでに初級を終えている学生とまだひらがなもおぼつかない学生が混在していましたが、「みんなの日本語初級Ⅰ」からいっしょに習うことになりました。ほんとうは中級に進める実力があった学生も、他の学生の世話をしながら初級を合わせて復習することになり、不満はないか心配もありました。しかし、初級を繰り返し学ぶ、というのもあながち無駄ではなく、初級内容がよりしっかり身についたように思います。

 学生の作文例
<好きな数字>
・私の好きな数字は12だ。理由は12番が、好きな選手の番号だからだ。この選手はやんみん楊鳴、バスケットボールの選手です。
・私が好きな数字は5だ。理由は数えやすいからです。小学生のとき、算数の授業で5の計算がやさしかったからです。5は発音すると泣くという意味もある。いろんな意味があったから好きになった。
・私の好きな数字は8だ。中国では8は発というお金持ちになるということばと音が同じだ、という理由で好きだ。一般的に8という数字には、いい意味があると考えられている。それで、私はこの数字が気に入っている。
・私の好きな数字は7です。中国で特別なところはないと思います。わたしにとって、7は幸運の意味がある。(それで)私は7月に生まれました。夏休みも7月にあるからです。
・私が好きな数字は5だ。理由は数えやすいからです。小学生のとき、算数の授業で5の計算がやさしかったからです。5は発音すると泣くという意味もある。いろんな意味があったから好きになった。
・私の好きな数字は8だ。中国では8は発というお金持ちになるということばと音が同じだ、という理由で好きだ。一般的に8という数字には、いい意味があると考えられている。それで、私はこの数字が気に入っている。
・私の好きな数字は、9だ。理由は9は、1から9までの数字の中で一番大きな数字だからだ。ほかの理由もある。中国人は9が尊い象徴であるという意識を持っている。9の中国発音は久と同じです。ですから、長いという意味もあります。「永久」。それで私の好きな数字は9です。

<誤解>
・日本に来たばかりのとき、コンビニで買い物を(買っ)した。払ったうとき(は)、店員が袋をご利用になりますかと聞いた。いいよ、と言った。実は、私は袋が(要りたかった)必要だったけど、店員が誤解して袋をくれなかった。
<男女格差>
・社会が進歩するに伴って、男女の格差も小さくなってきている。以前は女性の職場と言われていたところで、男性も働くようになった。反対に男性が多かった職業は女性もするようになった。しかし、いくつかの迷惑な現象が存在している。たとえば、ある会社に入る面接の中で、独身ですか、とか、子どもをいつ(生まれる)生むつもりですかなどの(問題が)質問が聞かれる。もし応募者(は)が(近年)近く子供が欲しい場合は、会社がこの人を雇用しないかもしれない。
<私のストレス解消法>
・友達といっしょに(どこか)どこかで遊ぶことこそが私のストレスの解消法だと思う。
 ストレスがたまったとき、友達といっしょに景色のいい所に行くとか、自分の悩み(は)を友達に話す(とか気)と持ちがよくなる。

・睡眠こそが私のストレス解消法だと思う。疲れたときに寝て目覚めるといい(ですね)。嫌なことをすっかり忘れることができる。

 研究計画を執筆するための練習文
<研究計画・研究の目的>
・本研究は超分子ネットワークの抗劣化性能を高めることについて試みることである。
 本研究は、中国とアメリカ貿易摩擦(で)において、中国のビジネスはどうやっていくかを解明する。
・本研究は日本における一人暮らしに適したシングルマンションについて中国学生や独身者の要望を調査し、中国の新たな独り暮らしに適したマンションをデザインすることを目的とする。
・本研究は日中両国の太陽光発電事業比較することである。
・本研究は、ネット配信者の社会的責任とメディアリテラシーを目的とする。

・留学したころ、就職先について考えていたのは有名かどうかとか、給料がどのくらいかとか、ということだった。でも今は、いくらお金をもらうかどうかより、自分の力が生かせるかどうかが大切だと思っている。

 学生作文の指導。非漢字圏の大学院学生や研究生の作文指導では、漢字語彙のチェックが大きなウエートを占めてきました。現在は中国人の大学院入学希望者なので、漢字語彙の指導はあまり必要ありません。助詞の誤用が多いのと、副詞が苦手なのを覗けば、一般的な日本人大学生よりもしっかり書けていると感じています。

 これは、もともと持っている作文能力が高くて、中国語でもしっかりした文章を書いている学生たちだからだろうと思います。
 学生たち、7月31日からの夏休みも、8月からの大学院入試に備えて、猛勉強の日々が続きます

 竹のようにまっすぐ伸びていきますように。


<つづく>
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ぽかぽか春庭「七夕の教室」

2020-08-01 00:00:01 | エッセイ、コラム
20200801
ぽかぽか春庭にっぽにあニッポン語教師日誌>2020教室だより(1)七夕の教室

 2020年4月から6月まで教室での授業ができないというたいへんな事態となりました。どこの学校もてんやわんやでしたが、日本語学校は「学生が来日できない」ということで、学校運営も問題山積みでした。4月入学希望者のうち退学すると決めた学生も何人かでました。

 昨年10月に入学した在校生は、4月は休校で、課題を自宅学習。5月はZoom利用による遠隔授業になりました。6月8日から通学授業。
 入国できないままの就学生は、6月まで自宅待機。7月からZoomによるオンライン授業となりました。

 春庭は、慣れないパソコン操作で、共通資料を画面に映し出すのと、学生の顔が画面に出るようにする切り替えの操作がうまくできなくて、あたふたしました。若い先生に教わりながらのZoom授業、大変でした。

 そんなばたばた教室も、在校生は、7月29日に試験も終わり、まあまあの出来。学生たちは夏に行われる大学院入試に向かっていかなければなりません。現在在学している在校生は、中国の大学を卒業し、日本の大学院進学目的で来日しています。国立の大学院は、留学生枠などの別枠がないところが多く、一般日本人学生と同じ条件で受験するので、日本語で専門科目の試験や小論文試験を受けるのは至難の業。学生たち、必死で日本語での専門書などを読み勉強しています。教室での日本語授業は「日本語能力2級レベル」を続けているのに、大学院入試で求められているのは、日本語能力1級レベルをはるかに超えた「超1級」です。
 めげずに勉学を続ける学生に感心しています。

 試験が終わって夏休みになる7月30日。夏祭りを楽しみました。
 7月7日の七夕にも8月7日の月遅れ七夕にも中途半端な7月30日ですが、笹竹にそれぞれの願いを下げて、星に祈りを。
笹竹は本物の竹ではなくてイミテーションなのがちょっと残念ですが、来年以降も使いまわしするとのことなので。


 今回の七夕夏祭りのメインは「浴衣着付け体験」です。
 男子学生はふたりが浴衣、ひとりは甚兵衛で、着付けは簡単。注意点は、帯結びを腰骨の上にすること。外国人男性が浴衣を着ている写真、よくあるのが、女性と同じ位置に帯を結んでしまい、七五三のように見える着方。

 女子学生には、自分でも着られるように、着付け講習会を行いました。おはしょりの作り方、襟元の整え方など。帯は付け帯だったので、文庫帯に慣れていた私には、かえって難しかったです。付け帯だと、リボンの部分が下にだらりとさがって見えてしまい、どうなおしていいのか難しかった。

 着付けチェック中


 なんとか着ることができ、短冊に願いごとを書いて下げました。みんなの願い、お星さまがかなえてくれますように。

 「笹の葉さ~らさら」の七夕の歌を歌って、お菓子を食べて、楽しい七夕パーティができました。後半は、ちょうどこの日に誕生日を迎えた学生のひとりを主役にして誕生日祝い。


 学生たちは、カラオケなどを楽しんだ後、パーティ終了後に駅前の神社まで出かけていきました。「教室で撮影するより背景が日本的でバエる」場所での撮影会にするためで、故国の両親に見てもらう「浴衣姿の私」は、より一層あでやかに映ったことでしょう。



 私が浴衣を着たのも久しぶり


<つづく>
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