20230603
ぽかぽか春庭日常茶飯事典>2023文日記6月(2)花とミサイルママ
4月29日にミサイルママと王子のスパゲティ屋で食事して、次は私の縄張りで、と話していました。ミサイルママから、用事ができた、という連絡をもらいました。「お香典をたてかえておいたから、その分を受け取りに行く」という。
自由が丘の桜並木下のベンチでしばしおしゃべり。「この桜並木、満開のころはすごくきれいだから、来年のお花見散歩しようね」と予約しました。
私たちを40年間指導してくださってきたミワ先生のご主人が、長年の闘病ののち亡くなったのです。現在ミサイルママが練習を続けている水曜日のAダンスからのお香典のほか、私が所属していた金曜日のサークル元メンバーからもお香典をさしあげることになりました。ミサイルママが、メンバーに連絡して、心ばかりではありますが、先生にお渡しすることができました。
ミワ先生は、御主人を見送ったあと、長年の介護が終わり「無事送り出すことができた」と、ほっとしている状態だそうです。先生ご自身もこの10年で3度のがん手術を受けてきた身です。ご主人は入院を続けていたので「ひとり暮らしはもう慣れている」といい、「少しも寂しいと感じない」と強い気持ちを持っているようです。
「今まで介護で気を張っていたのが、ほっとしたところだから、今はそう感じなくてもこれから寂しさがつのってくると思うから、先生をみなで支えてあげてね」と、ミサイルママにも頼みました。
1983年に発足したミワ先生の指導を受けるジャズダンスサークル。30代だったメンバーももうみな70代。それでも今年9月の文化センター祭に参加して皆で踊るといいます。 他の70代メンバーは、今でも足が頭の上まであがるのに、ミサイルママは肩より上には上がらないから、発表曲を選ばないと、と言いながら「セビジャーナス」などを発表するといいます。「9月に必ず見に行くよ」とミサイルママへのエールを送りました。
ミサイルママとは、六義園や白金自然教育園など、いろいろなところを毎月のように「大人の遠足」と称していっしょに散歩した時期がありました。
おつれあいのジンさんと再婚後は、ミサイルママはジンさんひとすじなので、私とのおでかけはできなくなったのが、ちょっと残念ですが、「今が一番しあわせ」とのろけるミサイルママを見ていると、私も幸せ気分のおすそわけをいただけます。
長年シングルマザーとして苦労に苦労を重ねてきた人生のさいごに、おだやかで静かな幸福なくらしを楽しんでいるミサイルママ。彼女の話を聞くことは、私にとってもよい時間です。今回は「星野リゾート」に一泊二日ででかけた話をしてくれました。
コロナで宿泊客激減の中、「半年前予約。激安。ただしキャンセルの場合全額がキャンセル料となる」という特別予約ができ、通常なら1泊2食付きでがは3万円以上する宿泊料が半額になったのだそうです。
「お部屋も広いし、料理はおいしいし、ついてきた清酒の味もすばらしい。なによりもホテル従業員のホスピタリティがすばらしかった」という感想です。
ミサイルママは前の仕事を退職した後、転職めざして職安の職業学校で「ホテルサービス業」の修行をしたことがあるのです。その半年間のようすも逐一話を聞いてきました。ベッドメイキングやテーブルサービスなどの練習の厳しさ楽しさを語り、新しいことを学ぶ喜びを伝えてくれて、60代で新しい学びを楽しむミサイルママの姿に感銘を受けてきました。
そのミサイルママが「すばらしいホテルサービスだった」と話してくれる。私も星野リゾートを利用してみたくなりましたが、「最低でもひとり一泊3万」という宿泊料金では、失業中の身には高嶺の花。「宝くじあたったら泊まってみたい」と言いました。
宿泊したのはミサイルママの誕生日だったので、ちらりと「今日誕生日なんですよ」と従業員に話したら、みずひきで作った鶴のプレゼントなど心をこめたお祝いをしてくれたそうです。温泉もとてもよかったって。
ジンさんは体調すぐれず、足が弱ってしまったために、ミサイルママが大好きだった登山は、もうあきらめたけれど、これからもふたりで温泉巡りを続けていきたい、と話してました。
絵が好きで今もパステル画のサークルで絵を続けているミサイルママを自由が丘(といっても、奥沢)にある宮本三郎記念美術館に案内しました。今回は宮本の花の絵がメインの展示。
花の絵を堪能したあと、ほんとは自由が丘の喫茶店に入ろうかと思っていたのですが、館内には私たちふたりだけしかいないので、美術館の中のベンチでおしゃべりを続けました。花の絵に囲まれながらのおしゃべり、よい時間になりました。
<つづく>