晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

雨読 李寧煕が解いた古代地名を歩く(2) 3/14

2012-03-14 | 雨読

2012.3.14(水)晴れ 

 例えば飛鳥は「最高の鉄処」と解かれている。アは古代韓国語で天、端、最高、スも古代韓国語で鉄、カは辺、処を表す韓国語ということである。
 古代韓国語でこれこれと言われても確かめようがないのだが、アスが鉄を表すというのはよく言われており、わたしも「浅原のこと」でアサ、アス、アソは鉄を表すという風に書いた。カはよく使われる言葉で、処、場所を表すのだが日韓辞典を引いてもガ、ガッが場所、ところを表すとは出てこないのだが。
 アスカは鉄処という風に解くことは出来るが、李女史が解いた地名を立証すべく著者の仕田原氏がその地を訪れ、飛鳥川の川べりでは砂鉄が採れたと言うのである。しかし本当に川べりの砂を採取し砂鉄が採れるかどうかは調べていないのである。
 そして飛鳥川から砂鉄が採れた証拠は、万葉集に「飛鳥川のしがらみ」というのがあって、「しからみ」とは「鉄(し)絡み」だからとか飛鳥川左岸の川原寺跡の北端部から発掘された「鉄釜の鋳型」の原料は飛鳥川の砂鉄だと主張されるのである。
 もし氏が科学的な史観を持っていたら、実際にその川の砂を調査すれば良いことではないか。
 同様に恭仁京のところでは、「鹿背山の左右に構えた二つのS型の三日月地帯。鉄はここで豊富に採れ、鹿背山で精錬されていたことが分かる。」とある。具体的な場所まで指定しながら、そこの砂を探ってみないのは科学的ではない。鉄が豊富に採れ、精錬されていたと言われても少しも分からないのである。
 また川から砂鉄が採取されたとして、当時川に堆積した砂鉄から製鉄か出来たものなのかその辺の所にも言及して欲しい。
 すべてがこんな風だから、内容が当を得ていたとしても信頼できないのである。

 今ひとつは著者の仕田原氏が李女史に盲従的な態度が文脈に現れている。歴史や民俗学の研究者は往々にして、ある強力な史観を持った学者に幾人かのシンパが集まり、あたかも新興宗教の教祖に対するがの如く盲従するケースが見られることがある。もちろん考えを同じくするものがより深く研究するために集うのは
好ましいことではあるが、盲目的に追随する態度は非科学的である。
 このことが本書に信頼を置けないわたしの理由である。P1010286

 ただ、権力の中枢が存在した都周辺に朝鮮語をルーツとする地名が多く残るのは当然だと思うし、鉄が権力者にとって最も重要なものであったことは間違いがないだろうから、本書の中にいくつか参考になる部分があろうかと思う。
 手元に「地名の古代史 近畿編」(谷川健一・金達寿)「地名は語る 大阪市内編」(大阪民主新報社編)の二冊がある。同一地名のところがいくつかあるので、読み比べてみたいと思うし、朝鮮語起源の地名に関する書物をいくつか探したいと考えている。おわり

【作業日誌 3/14】
レタス、サニーレタス、スナックエンドウ植えつけ
じゃがいも畝造り

今日のじょん:朝起きると一面真っ白、また雪かよ、違うんだな霜なんだな。そういえば霜注意報出てたっけ。おとーが作ったポストの屋根にもつららが、そして水飲みはカチンカチンに凍って飲めやしない。P1010280 P1010284_2

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする