晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

春画展を観る 2/17

2016-02-17 | 文化に触れよう

2016.2.17(水)雪
 京都新聞で春画展が開催されることを知り、昨日行ってきた。
春画展 左京区岡崎 細見美術館 2月6日~4月10日(日) 当日券1,500円

新聞には直接的な絵画は載っていない、疎水を渡ったところが細見美術館。
 サブタイトル、「世界が、先に驚いた」とは欧米で先に認められたと言うこともあるが、2013年から2014年にかけて開催された大英博物館における「Shunga: Sex and Pleasure in Japanese Art」が大好評だったということが表現されていると思うのだが、日本において同じようにその芸術性が認められるか否か興味のある所だ。というのは大英博物館で展示されたものが日本では公の大規模なミュージアムでは開催されず、(東京では昨年永青文庫美術館で開催)今回も18才未満入館禁止というのに驚いた。芸術として認めるならこのような措置は何とも奇妙であり、「裸のマハ」にぼかしを入れるような行為である。日本ではまだまだ芸術として認められていないのだろう。ポルノ映画と同様に扱われているのが哀しい。
 前回ルーブル美術館展の反省を活かし先に昼食をとる。鑑賞しながら腹が減ってくるのはどうもよろしくない。前と同じ大明神總本舗に行く、前回鰻重を食べたが、ここは鍋焼きが人気らしい。

プーさんは海老天のお重を頼んだが、めしの量に不満そう。
 細見美術館は二条通、疎水縁にある。休日などは大変だそうだが、さほど混雑はしていない。今回の美術展ではかつての日本人の性に対するおおらかさ、ユーモア、しゃれなど見つけよう、そして絵の中に添えられている調度や用具に古の文化を発見してみようと決めていた。ところがいきなり巨大な性器や性行の図を見せつけられると仰天してしまう。平常心を失いドキドキと胸が高鳴る。この辺が温泉場の秘宝館などにある低俗な春画と違うところかなどと感心する。歌麿、北斎、北川春信などのほか谷文晁や円山応挙まであるのだから凄い。

展示作品を網羅した分厚い「SHUNGA」は4,000円もするので、ポストカードやレターファイルで間に合わす。

 もっとも気に入ったのは、子女や一般人向けの道徳的な本が出るとそれに続いて出されるパロディ本である。性が反道徳的なものとは言わないが、四角四面の道徳に対しておおらかな性を表現するのは欧米のブラックジョークに対して日本人もしゃれが効いているなと楽しくなる。
 今回の春画展は女性を対象に力を入れておられるようだ。2月10日には「女性のための春画サロン」なんて講座が開かれて随分盛況だったようだ。会場にも多くの女性が見られ、大変喜ばしいことと思う。市場にあふれるエロ本と違って春画は決して男性のためにだけあるものでないと思うからだ。しかしおおらかさだのしゃれっ気だの享楽、快楽といった陽気な雰囲気の中にわたしは哀愁を感じざるを得ない。それは廓とか売春とかいった具体的な哀しみでなく、性そのものに存する苦しみとか哀しみのような気がする。生老病死は実は性老病死だったのではないかとさえ思うのだ。

新装なったロームシアターでは小澤征爾さんの喜歌劇「こうもり」が18日から、、。

【今日のじょん】かみさんが悩んだあげくに3種類の肉類の入ってないおやつを楽天で買った。なんでも神戸あたりのお上品なワンコが食しているという高級品らしい。人間は一袋80円のつまみでビール飲んでるのに、、、と言いつつも安全なおやつを喜んで食べてくれればいいかとまあ、親心である。

今朝の雪、何ともしつこい冬だこと。
 
 
 

コメント
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