2020.1.22(水)曇り のびの救出は奇跡か?
のびの捜索についてはチラシ、新聞で広報するとともにかみさんがSNSで広く拡散した。そんな中でいかに多くの犬が逃げているのか知ることとなった。この記事を書いている間にも近隣の町で逃走があり、3日後に保護されたという事象があった。これは誠に喜ばしいことだが、チラシを配っている時に聞いた話では逃走して死んでしまったり、遂に行方知れずの事件もあった。いづれにしても犬は逃げるもの、特に保護犬は高い確率で逃走するものと思い知らされた。
最初に撒いたチラシ
Sさんに「絶対にあきらめたらあかんよ」と言われたが、それは捜索のことなのかのびの生命のことなのか?。捜索については諦めるつもりはなかったが、生命については捜索3日目には半ば諦めていた。里に下りていれば交通事故以外に生命の危険はなさそうだが、情報が無く山に居るのではと考えたとき、生存の可能性はかなり低いと思った。現地で最初に声をかけた四方さんは、「この山にはキツネの群れが居るので早く見つけてあげないと危ないで」と語っておられた。相手が一尾ならともかく群れとなるとやばい、しかものびはリードをつけたままだ、動けなくなったら完全にやられる。見つかってものびが遺体となっていたらと考えると恐ろしい気分になってくる。実は6年前に大津のある山に行ったときの恐ろしい記憶がある。マンガン坑跡を探して一人で山中に入ったところ、道ばたに鮮血のついた骨片が落ちていた。不思議に思ったが進んでいくと次々と落ちているのだ。気味悪くなってきたとき、前方に段ボール箱が置かれているのを発見、そのときすべてが解った。誰かが犬か猫を捨てたところ、たちまち獣に襲われて食い散らかされたに違いない。恐ろしくてそこから先には進めなかったが、のびのそんな姿を見つけたら果たして正気で居られるだろうか。ザックの中にバスタオルを忍ばせていたのは、その時のためでもある。
そんな気持ちでいたからこそ、無事に救出できたことは奇跡だとしか思えない。それには多くの幸運が重なっていた。
・四方さんにのびの失踪を話していたこと。(聞いていなかったら、通報はしなかったとおっしゃっていた)
・のびの着ていたダウンが枯れ枝に絡まって動けなくなり、鳴き声をあげたこと。(鳴かない犬も居るらしい)
ダウンは泥んこになっていたが、破れることもなく今も使っている。
・その場所が声の届くところであり、駆けつけることができる場所であったこと。
・四方さんが夜勤で夜中に帰ってこられたこと。(鳴き声は家の中では聞こえない)
・現場は何度も捜索に訪れているところで土地勘があり、暗闇でも救出に行けたこと。
・四日間、小雨はあったが本格的な降雨も無く比較的暖かかったこと。
・山の装備が揃っていたこと、原付のバイクがあったこと。
このバイクが大活躍した。
いろいろとあるが、なんといっても四方さんが夜中に鳴き声を聞きつけて直接通報していただいたことが大きい。のびの命の恩人に改めてお礼を申し上げる。つづく