『久我山散歩』その2。久我山墓地から“うえみち”まで出てまっすぐ高井戸方向に歩く。美味しいパンで有名なLapinの向かいあたりに馬頭観音の石碑を見つける。
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観音様が彫り込まれたものではなく、三角の石に『馬頭観音』という文字が刻まれていて裏に回ると『小作伊乃松、明治36年9月』とある。小作(こさく)家は秦家、大熊家と並んで久我山の地主の家系である。
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当時は馬が大切な交通手段でその安全を祈念して作られたものだろうか。
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まっすぐ行くと右手に細い坂、『かさもり坂』と標識がある。この坂はうえみちと馬車道を繋ぐ古い道であり、『笠森稲荷の前の坂』と書かれているが、肝心の笠森稲荷がない。
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しばらく探し回ると坂の上、右側の大きな家(小作家)の庭に稲荷神社に特有の朱の鳥居が微かに見える。屋敷の中の稲荷のようである。
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もう少し歩くと鋭角に人見街道と交差するが、ここに庚申塔がある。人見街道と“うえみち”が分岐するY字路に塔は作られていて、かなり見にくいが向かって左の側面には『これよりひだりふちう三ち』(これより左は府中道)、右の側面には『これよりみぎ、いのかしら三ち』(これより右は井の頭道)と彫られている。
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建立も1722年と杉並区内では最も古い道標付庚申塔で区有形文化財に登録されている。
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人見街道を反対側に渡ると奇妙な形で置かれた観音様、その前に幾つか石仏があるが、よく分からない。『本廟本願寺久我山教会』とあるだけだが、詳細は分からなかった。
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いつも何気なく歩く久我山も丁寧に見て歩くと仏様や庚申塔など興味を覚えるものも発見できた。これが散歩の妙味である。