ようやく春めいてきて、庭の福寿草も黄色い花を開いた。気温も20℃近くなると聞いて久しぶりの買い物以外の外出。近所の梅の花も開き始めており、井の頭線沿線随一の梅園がある『羽根木公園』に向かう。
明大前駅のお隣、東松原駅で下車。この駅を使うのは梅を見に行く時だけなので多分降りるのも数年ぶり。
駅前からまっすぐ坂を降りて行くと公園の入口に着く。羽根木公園は18世紀頃は鍛冶屋の六郎次が住んでいたため、六郎次山と呼ばれていた。それが明治になり、東武鉄道の創始者一族である根津氏が一部を保有したため、根津山になった。1956年に東京都営の公園として約8万平米ある公園となった。
東松原駅から行くと入口には梅の木があるが、その先は野球場となっていてその周りを歩くと梅林が見えて来る。いい天気だが、このところの晴天続きの上に土のグラウンドだから風が吹くと土埃が立つのは困り物である。
傾斜地になる手前側には紅梅、白梅、紅の枝垂れ梅、蝋梅など大きな木が植えてあり、もう見事に花が付いている。
その先が梅林となっていて、紅白織り交ぜて木が植えてあるが、それぞれに品種を書いてある木札、例えば『白加賀』『八重野梅』が下がっていて、これを見ながら周回道を歩く。梅ヶ丘駅に向けて下り坂となっているため、眼下の梅が綺麗に見ることができる。
私は白梅の向こうに紅梅が咲く姿の幾つかを写メに写した。ここで気づいたのだが赤い梅の花は紅色に近いもの、真っ赤なもの、ピンクのものと色々な色がある。
また、公園内には中村汀女の歌碑も建てられている。彼女は1900年熊本県生まれだが、長い間世田谷区在住だった。『外(と)にも出でよ ふるるばかりの 春の月』、春の月の大きさを詠んだ句であった。
いつもは世田谷区主催の梅まつりが行われるのだが、コロナ禍もあり、2年続けて中止だとなった。かつて梅まつりの会場で購入したほんのりと梅味のするかりんとうを探したのだが、梅大福しか見つけることは出来なかったのが心残りである。