出羽大橋

酒田市の国道112号で、最上川の最下流に架かる出羽大橋の新橋が完成し、開通式が18日、現地で行われた。
　出羽大橋の旧橋は、1972（昭和47）年に完成。庄内空港と酒田市街地を最短距離で結ぶほか、市街地と土門拳記念館、東北公益文科大などの文化教育施設をつなぐ重要路線だ。しかし、交通量の増加に伴う恒常的な渋滞が問題になっていたため、県が95年度から、旧橋との4車線化を見据えた整備事業に着手した。総事業費は約170億円。
　今回開通した区間は1250メートルで、全幅13メートル。路肩を設けた2車線で、片側に幅4.5メートルの歩道を整備した。これに伴い、旧橋は18日から全面通行止めとし、リニューアル工事に入った。4車線の開通は、2012年度までを予定している。
（山形新聞2008年5月19日付朝刊より抜粋。写真は荘内日報より）

……これ、地元では大ニュースです。記事にあるようにとにかく渋滞がひどく、両岸の住民を常に苦しめてきた区間なので文句なく朗報。下流側に幅広い歩道が整備され、木製ベンチ付の休憩スペースが二カ所も設置されている。自転車通勤している某銀行員が「うわー、オレのためにここまでやってくれちゃって」とかましていたが、透明な防風柵（冬は上に伸びるとか。さぞや白鳥たちは激突することであろう）が用意されていることを考えても、「路上のルール」でふれたように、スカートのなかが丸見えになりがちな女子高生たちのために決まってる。

　酒田という町は、奥州藤原氏の家臣団（三十六人衆）が宮野浦に移り住み、のちに最上川対岸の砂浜を開拓してつくった歴史がある。だからこの橋はその歴史をきれいにトレースしているのだ。

　出羽大橋ができる前のことを、わたしはかろうじておぼえている。子どものころ、前任校近くの親戚に遊びに行ったときに、渡し船の発着所まで案内されたことがあったので。夕暮れに通勤通学の人たちが、自転車やバイクとともに無蓋の渡し船に乗りこむのを飽きずに眺めていた。現在の渋滞を考えると、時代は変わったんだなあと実感できる。

それにしても、4車線になるまでにあと5年もかかるんじゃ、わたしはその恩恵を受けないままに転勤することに……まだいたりして(T_T)。

年度末年度始 16日目「実測」

15日目「キルビメーター」はこちら。

さて、大分・青森につづいて最後に群馬の例を見ていこう。この人は教育事務所も長かったのでこういう問題は詳しいよ。

【群馬】
群馬県学校職員の通勤手当は次のように認定要領が定められています。経路の長さの測定は、
①国土交通省国土地理院発行の地形図（縮尺5万分の1以上のものに限る。）等によるキルビメーターを用いた測定
②地形図又は財団法人日本デジタル道路地図協会の地図データベースに基づく縮尺5万分の1以上の電子地図で、道路上の2点間距離を道路の形状に沿って測定できることができるものによる測定
のいずれかの方法で行うこととするが、実測に優先するものとしては扱わない。

この場合の実測とは、巻き尺やマラソンの距離計測に使う車輪のついたメジャー等で道路の距離を計測することをいうので、現実にはあり得ない方法です。ですから群馬では長く①の方法が通勤経路計測に使われてきましたが、現在は②の方法が主となっています。上記条件に合致していれば、計測は市販地図ソフトでもウェッブの地図サービスでもかまいません。

私は年間ライセンス料が2000円と安価なので「MapFan.net」を使用しています（もちろん業務用ですから公費で支出しています）。ですから「MapFan.net」のルート検索機能を利用して最短経路を探り、距離を計測し、その地図を印刷して通勤届に添付していますが、それはユーザーの権利ですから著作権上の問題はありません。
問題は、少なからずの事務職員が利用していると思われる「MapFanWeb」かと思われます。「MapFan.Web」ホームページの利用規約を見ると、

・地図データについて
電子地図の作成に当たっては、財団法人日本デジタル道路地図協会発行の全国デジタル道路地図データベースを使用しました。

とあるので、通勤手当認定要領はクリアしていますから給与支給規則上はその使用に問題はありません。しかし、その後に

いかなる形式においても著作権者に無断でこの地図の全部または一部を複製し、利用することを固く禁じます。

とありますから、地図を印刷し業務に使用することは利用規約違反となります。しかし、”実測”という方法が未だに生きているため、群馬県の通勤届様式には地図を手書きする部分があります。つまり、地図を手書きし、最短経路、最短距離を「MapFanWeb」の画面を参照し記入、そして「MapFanWebにより計測」とすれば、著作権を侵すことなく②の方法による認定を行ったことになる、と解釈しています。教育事務所勤務時代にそのように返答していました。

次回17日目は一転して「私こと」

画像はスパイ小説の金字塔「ゴメスの名はゴメス」結城昌治。すばらしい作品だった。これをまさか地図だけをたよりにベトナムに行かずに書き上げたとは！