19日目「通勤手当」はこちら。
トリップメーターやスピードメーターがいかに信用ならないかのお話は続いています。
クルマの速度計、距離計は車軸の回転数から計算表示しているわけですが、実際に路上を回転するのはタイヤで、その大きさが異なれば回転数から計算される速度、距離は違ってくるのは誰でも分かることです。タイヤが減って外径が小さくなるのは全てのクルマに生じることですし、ドレスアップや性能アップのためにメーカー指定と異なる外径のタイヤを付けるクルマも少なくありません。ですから最大で10%程度の誤差はクルマ業界では認められているようですし、それが理由かは分かりませんが速度取り締まりでも10キロ超過までは検挙しないようです。
その後、電子地図ソフトが1万円以下で複数市販されるようになった平成10年に電子地図ソフトを使用した通勤距離計測と認定が認められるようになり、今はほぼ100%が電子地図による認定だと思います。全ての地図ソフトは確認していませんが、「MapFan.net」については道路の斜度も距離に換算しているということですから、キルビメーターよりさらに正確な計測がされていると思います。例外は、新しい道路が開通したときに電子地図が対応するまでの間です。この時ばかりはキルビメーターに頼る他ありません。
……クルマのメーターが、実際の走行距離よりも短く出るような初期設定は許されない、という話は聞いたことがある。リセール時の価格にいちばん影響するのが走行距離であることを考えれば必然だろう。だから新車購入時の、まったく摩耗していない純正のタイヤが実際の距離に最も近づくはず。群馬の事務職員が言うように、タイヤの摩耗やインチアップがメーターに影響するのは理の当然だ(扁平率で調整はする)。
右ハンドル車の場合、計測の基準となるタイヤは右前のものだそうだが(単にメーターに近いからだとか)、真っさらのタイヤですら何%かの誤差は生ずる。どの程度狂っているかをチェックする最も簡単な方法は(同時に危険な方法でもあるが)、高速道路に立っているキロ数表示があるでしょう。あれとトリップメーターを一度シンクロさせてみればいいのである。
まあ、そこまではともかく、ひとつだけおぼえておかなければならない事実がある。タイヤによって誤差が出るとすれば、回転数が多ければ多いほど、つまりタイヤ径が小さければ小さいほど誤差は大きいということなのだ。軽自動車の職員の申告はちょっと疑ってみてもいいかも(怒ってる読者は多いだろうなあ)。加えて、斜度の問題がある。以下次号「斜度」につづく。
画像は、マスタングのホイールキャップがさりげなく吹っ飛ぶ画面が興奮させた「ブリット」。さぞやタイヤは減りまくっていたことであろう。