Ingrid Fujiko Hemming - La Campanella
PART1はこちら。
のっけから信者の方々に怒られそうだが、数百の教団が紹介してあるこの大著を読んで新宗教の典型が浮かび上がる(一週間ぐらいかかりました。前にもご紹介したように、わたしの妻の従姉妹も実は教祖で、某有名文化人も信徒なんだけどこの本にはその宗教は載っていませんでした。残念)。
1.ある人物に壮絶な不幸が訪れる
2.不幸の果てに、その人物が神がかりの状態になる
3.神の声が聞こえ、あるいは何らかの方法によって病気を治すことができるようになる
4.噂が噂を呼び、支持者が次第に集まる
5.人物が教祖に祭り上げられる
6.教義が研究され、書物にまとめられる
7.教祖・幹部が不祥事を起こす。あるいは教祖が亡くなる
8.分派がはじまる(特に教祖の親族の間で壮絶な争いが起こる)
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……というサイクル。あー怒らないでー。特に霊○会、創○学会、大○教などの歴史は壮絶です(巻末に戦後の宗教をめぐる事件史がまとめてあってこれがまたすごい)。
確かに新宗教は怖いし、わたしもあまり近づきたい対象ではない。しかし組織としてのありようが、いかにも日本らしくて興味深かったのは確かだ。金の流れ、世襲、罵倒……まさしく、政治そのものじゃないですか。
それに、職業や貧富、性別、くわえて人種を超えて、どんなことがあっても同じ神、同じ仏を信じているというのは究極の同志といえるのだろう。既存の宗教が失っているものを補完しているのは確かなのだし。
わたしは死ぬまで宗教に帰依することはないだろうが、そのことだけは、ちょっとうらやましいと思っているのでした。
本日の一曲は同じ「ラ・カンパネラ」でもここまで違うかフジコ・ヘミング版。