第三十四回「挙兵」はこちら。
おいおい、と言われることを承知で告白すると、ちょっと泣きました。「犬伏」後半は名作ですね。
わたしたちはこの出来事から400年以上も経っているから、当時の大名の動きについて冷静に論評できる。そのなかで、徳川にも豊臣にもつかないとすれば、真田家のようになるしかないと思える。でも渦中にいたとき、どうだろうこの策は。
もちろん、父親がたてた策(上田城にこもって様子を見る)は次男が言うように「夢物語」だ。そして長男の、実は哀しい献策(敵と味方に分かれる)をこそ、この一族は選択した。
父親はロマンチスト。
長男はリアリスト。
次男はスマート(頭だけは切れる)。
わたしが感動したのは、犬伏の会合を終えて、父親が満足そうな顔をした瞬間。彼はいくさがまた出来ると喜んでいると同時に、ふたりの息子が、自分の思いを超えて成長したことに驚いたに違いないのだ。ある事情があってわたしは兄弟の物語に弱いのだけれど、それを差し引いても素晴らしい回だった。ひとりっ子三谷がよくぞここまで。
前回の視聴率は13.2%と最低を記録した。黄色いTシャツおそるべし。この回とバッティングしなくてよかったよかった。ラストの、ほとんど空疎と言えるぐらいアットホームな男3人にも泣けた。もう、こんな場は二度とやってこないことを彼らは知っている。
わたしは、ここ数日飲みが続いていて、今日も親戚の法事。それでもこの真田丸だけは見逃すまい、と帰ってまいりました(なので今すごく酔ってます)。ま、分家からは歩いて一分なんですけどね。
よく考えたらわたしはこれまで35週間連続して夜の6時にきっちりテレビの前に座っている。大河ドラマをメールやブログでアップするようになってから、こんなことは初めてだ。35週間見続けてきて本当によかったと思える回。前半のコント芝居はなかったことにして(笑)。
今回の視聴率は読めないなあ。17%台後半?
第三十六回「勝負」につづく。