事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

真田丸 第三十七回「信之」

2016-09-18 | 大河ドラマ

第三十六回「勝負」はこちら

前回の視聴率は16.5%と、わたしの予想よりは伸びなかった。でもそんなことはいい。今回の「信之」(信幸は、父からもらった幸の字を捨て去ることを家康に強要される)は、三谷幸喜が「新選組!」ファンへ「大河に帰ってきましたよ」という挨拶に思えてうれしかった。もう、9月ですけどね(笑)

誰にとっても意外だったのは関ヶ原の戦いがわずか一日で終わったこと。日本史知らずのわたしは、だって結果としてそうなんだしと昔は思っていた。でも形勢不利と見れば三成は、自分のフランチャイズである近江や大阪まで退くという選択肢があったのにそうしなかった。原理主義者の限界なのかなあ。

おかげで真田家は塗炭の苦しみをなめることになる。流罪。九度山(日本史知らずなので“くどさん”だと思ってました)に移った昌幸と信繁。思えばここから真田十勇士の話は始まるのよね。真田紐の話もこれから出てくるんでしょう。

わたしがうれしかったのは、大谷刑部と石田三成の最期を、それぞれゆかりの女性が語るくだり。刑部は

「治部、楽しかったぞ」

とつぶやき、首を差し出す。これは「新選組!」において、近藤勇(香取慎吾)が、土方歳三との日々を追想しながら

「トシ(歳三)」

と微笑みながら斬首させられたことへの返歌だし、その土方歳三を演じた山本耕史が、また艶然と微笑みながら死んでいくのも、あのドラマあったからこそのシーンだ。

あの頃とひとつだけ違っているとすれば、それぞれ男たちは満足して死んでいくけれど、遺された女たちの悲嘆が具体的に描かれたことだろうか。

三成の妻の狂気は納得できる。彼にとって妻は、自分への信奉者でなければならなかったろうから。哀しい話だ。応援の意味もこめて今度こそ17%台復帰と読みました。すばらしい回だった。

第三十八回「昌幸」につづく

コメント
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