事務職員へのこの1冊

市町村立小中学校事務職員のたえまない日常~ちょっとは仕事しろ。

「ディストラクション・ベイビーズ」(2016 東京テアトル)

2016-09-22 | 邦画

振替休日は映画。そう決めてはいるものの、さあ何を見よう。

鶴岡まちキネで朝8時台にスタートするのは「怒り」と「ディストラクション・ベイビーズ」か。迷うことなくディストラクションにする。決め手になったのは予告編。超豪華キャストをそろえ、俳優たちがみな号泣する「怒り」の予告は、正直しんどかった。二度三度と見るうちに、もう本編を見たような気にさえ。

その点、「ディストラクションベイビーズ」の予告はソリッドそのもの。並の暴力描写じゃない。キャストも、柳楽優弥、菅田(「共喰い」)将暉、小松(「バクマン」)菜奈、村上(村上淳とUAの息子)虹郎と、気になる若手がそろってる。やっぱり、こっちだよな。

でも、平日の朝からこの病んだ映画を選んだのはわたしだけ。最初っから最後まで観客はわたし一人でした。やっぱそうなるか(笑)。

なんの理由もなくまわりにケンカを売る男(柳楽)、それを煽り、大事件につなげてしまうお調子者(菅田)、彼らに拉致され、しかし最初に人を殺してしまうキャバ嬢(小松)。意味も動機もない、純粋な暴力が横溢する。

スクリーンのなかのケンカではなく、街の片隅で実際に行われているストリートファイトのように撮影されているので怖い怖い。しかも、殴る音が妙にくぐもっているのもリアル。

舞台となっている愛媛には警察はいないのか!というぐらいに握り拳以外の武器は慎重に排除され、ついに登場した警官の拳銃がどんな結果を呼ぶかは観客にまったく説明されない。

衣装の交換によって性格まで憑依する展開。ラストで、主人公が文字どおり脱皮していることを予感させて終了。

破壊的なベイビーズを、善と悪の両面からサポートするでんでん池松壮亮もすばらしい。心温まる場面皆無。でも、絶対のおすすめだ。真利子哲也監督メジャーデビュー作品。

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