「あまちゃん」で成功をおさめた宮藤官九郎が、その後初めてフランチャイズであるTBSで放ったコメディ。オンエアは日曜9時。
なにしろ「池袋ウエストゲートパーク」「木更津キャッツアイ」「マンハッタンラブストーリー」「タイガー&ドラゴン」「吾輩は主婦である」などで組んだ磯山晶(くどいようだが、美人)プロデューサーとふたたび組み、NHKの制約から逃れてクドカンはクドカンらしいドラマを構築してみせた。
その結果はどうだったか。
視聴率的には大惨敗(笑)。ふたケタに到達したのは初回だけ(10.1%)で、実はわたしもリアルタイムでは見ていませんでした。例によって連続ドラマをワンクール、週に一回きちんと見続けることができない人間なので(大河ドラマでせいいっぱい)、サンプルには適しませんが。
それでは、こんな劣悪サンプル以外の「あまちゃん」に熱狂した人たちは、どうしてこのドラマを見なかったのだろう。
・あまりにも下ネタが多く、日曜9時のオンエアに適さなかった
……と指摘する声もあるようだ。でもこれは本当かなあ。だっていま家族みんなが集う“お茶の間”なるものが存在しているのか。確かに下ネタ、特に高校が舞台なのでお下劣エロなギャグが多いとはいえ、もっともっと不道徳で描写も露骨なドラマはたくさんあるじゃないですか。
・「あまちゃん」が特例だっただけで、磯山=クドカンのコンビだったらこれくらいが普通の視聴率
……これは言えてますよね。クドカンのドラマには、まぎれもなく深い悲しみがあり、「あまちゃん」の場合は、もちろん悲しいのだけれど15分という短さが、その暗さを払しょくしていたというのがわたしの持論です。以下次号。