Vol.05「“やさしい”父親」はこちら。
60代の主婦。嫁が息子に離婚を求めてきましたが、息子は関係修復を希望しています。親としてどう支援すべきか悩んでいます。
嫁は孫娘を出産後、保育園に預けて職場に復帰しました。ところが今夏、孫娘を連れて実家に帰ってしまったのです。嫁だけに家事や育児の負担がかかっていると不満があるそうです。その後、「離婚してください」と一方的に言ってきました。息子が帰るように説得しても聞きません。
息子は性格が穏やかで、今まで大声でどなったことなど一度もありません。家事や育児に関しても、できるだけやっていたのは、私からも見て取れました。
嫁には、2度の離婚歴がある姉がいます。私は、嫁の背後に男の存在を疑いましたが、証拠らしきものは見つかりませんでした。
息子は嫁と孫娘を愛しています。心が日に日に陰ってきているようです。できる限り早いご回答をお願いします。
(千葉・T子)
最相葉月の回答が最高だった。
「できる限り早く回答がほしいとのことなので、急いでお答えします。支援は一切不要。金輪際、あなたはこの問題に口を出さないでください。以上です。」
「だって、あなた怖いんですもの。」
まったくだ。息子と嫁の不仲に悩む母親、というのはこの【人生案内】で定番の相談。そのなかでもこの母親は最低最強だ。息子の無謬をつゆほども疑わず
・職場に復帰し
・娘を保育園に入れ
・2度の離婚歴がある姉がいる
嫁のことが憎くて憎くて仕方がないのが文面からビシバシ伝わってくる。この母親の存在もまた、嫁が出ていった原因のひとつであることは確実。男の存在を疑ったこの母親が、いったいどんな行動をとったのか。考えると怖い怖い。
本日の1冊は、地元作家である長岡弘樹の「時が見下ろす町」
八つの短編がほんの少しずつ絡み合い、特に最初と最後がきっちり連関する……ミステリ界ではおなじみの手法が教科書的に展開。で、残念ながらちょっと教科書的すぎると思いました。面白いですけどね。
Vol.07「おとなしい夫婦」につづく。