御子柴悪徳弁護士シリーズや犬飼(男の表情は読めるが女心はさっぱり)刑事シリーズは読んできたのに、肝心の岬洋介シリーズはこれが初。中山の本流はこれかもしれないのに(笑)。
なぜ最新刊から読み始めたかというと、これが岬の最初の事件だというふれこみだから。もちろんデビュー作「さよならドビュッシー」などの事件への伏線がしこんであるらしいけど、それはあとのお楽しみ。
才能のないことを「それは言わない約束でしょ」とお互いになれあっていた田舎の高校の音楽科クラスに、大マジの天才(岬)がやって来て……。
なぜ青春小説としてかなりきつい展開にしているかと思ったら、ラストのためだったようだ。びっくりしました。岬シリーズに耽溺した人ならもっと驚いたと思う。さすがどんでん返しが得意技な作家だけある。作家が一生に一回しか使えない手段をここで使ったかっ!