ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

ヒメボタル(山梨2021)

2021-07-18 19:28:53 | ヒメボタル

 ヒメボタルの観察と撮影、先週末は、東京都内における大変貴重な記録を残すことが出来たが、この週末は2008年から通っている山梨県内のヒメボタル生息地へと足を運んだ。今回が11回目の訪問になる。過去の記録を見ると一番早い訪問日は7月16日で一番遅い日は7月24日であった。訪問時の飛翔数は、2008年から2011年までは多かったが、その後は次第に減少傾向にあった。少ない年では、まだ梅雨が明けておらず気温が低かったり、雨が降っていたり、風が強い日であったことから、単に発生ピーク時、或いは活動条件と合致していなかったことが理由であろう。
 さて、今年のヒメボタル発生はどうであろうか。7月16日に気象庁は「関東甲信・東北南部・東北北部が梅雨明けしたとみられる」と発表。平年より早く、翌17日は朝から夏空が広がり、東京では最高気温が33℃ほどまで上昇した。予報では夕立もない。ただし、半月が上空に昇っているのがマイナス要因である。
 自宅を15時に出発し、現地到着は17時。車を止めて軽登山である。ポイントでは、過去10回で一度も撮っていない北斜面のブナ林に林道から向けて写真撮影用として1台セットし、もう1台は、やはり林道から目前が飛翔ルートになっている場所に映像記録用としてセットした。気温は22℃で無風。
 19時22分。ブナ林にて1頭が発光を始め、次第に発光飛翔する数が増えた。半月の明かりが木々の間から部分的に林床を照らすが、それでも20時頃には将に「乱舞」という光景が広がった。このヒメボタル生息地は、カメラマンも観賞者も来ない。森の中で私一人がヒメボタルに取り囲まれる状況。この場では2011年以来であった。
 21時には発光飛翔する数が減ってきたため、こちらも撤収することにした。

 以下に、今回撮影した写真と映像を掲載した。写真でヒメボタルの光が丸い点ではなく伸びているのは、飛翔場所がかなりの急斜面でヒメボタルの飛翔スピードが速いためである。また映像は、急斜面を行き来するヒメボタルを至近距離で捉えている。最適な視聴のために、暗くした部屋で、サウンドをオンにして全画面表示にしてご覧頂きたいと思う。
 今週は4連休が控えている。満月と言う悪条件ではあるが、ヒメボタルの観察と撮影を2カ所で行う予定である。

追記

 ヒメボタルの観察中、他とは違う様子の1頭がめに入った。ゆっくりと飛翔しながら、明滅せずにずっと発光している。クロマドボタルのオス成虫である。以前にも、この場所でクロマドボタルのオス成虫が発光しているのを目撃している。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと拡大表示されます。また動画においては、Youtubeで表示いただき、HD設定でフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。

ヒメボタルの写真

ヒメボタル
Canon EOS 7D / Canon EF17-35mm f/2.8L USM 35mm換算50mm / マニュアル撮影 F2.8 ISO 1600 約10分相当の比較明合成(撮影地:山梨県 2021.7.17 20:00)

ヒメボタル(山梨2021)

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