ホタルの独り言 Part 2

ホタルの生態と環境を52年研究し保全活動してます。ホタルだけでなく、様々な昆虫の生態写真や自然風景の写真も掲載しています

ゲンジボタル 千葉県2022

2022-05-31 21:25:09 | ゲンジボタル

 今年初のホタルは、石垣島でのヤエヤマヒメボタルの観察と撮影であったが、ゲンジボタルの観察と撮影は、千葉県からスタートである。
 前記事のムカシヤンマの産卵を撮影後に向かったのは、2004年から観察を続てけいるゲンジボタルの生息地。2006年には、テレビ東京の番組「トコトンハテナ」の収録で当時のお笑いタレント「クワバタオハラ」さんらを案内した場所でもある。自然発生の東日本型ゲンジボタルが乱舞する素晴らしい生息地であるが、2019年の台風15号、台風19号、そして低気圧による1時間100mmの雨という甚大な被害によってゲンジボタルも影響を受け、翌年から発生数が激減してしまっていた。谷戸の細流に生息している場合は影響をそれほど受けないが、河川の場合は台風や大雨の影響を受けやすいのだ。
 この生息地では、幼虫の上陸や産卵も観察し写真も撮影しており、成虫の飛翔風景はリバーサルフィルムとデジタルでも撮影済である。ただし映像は残していなかったので、今回は映像を主に撮影することを目的とした。この日は、月明りはなく気温も23℃であったが、少々風が強かった。それでも19時41分に一番ボタルが発光を開始し、少しずつ数が増え始めた。決して乱舞ではなく10頭ほどの飛翔だが、台風の被害から3年。ようやくここまで復活してきたかと思う光景に感動である。元のように乱舞するには、あと2年はかかるだろう。
 ここに生息している東日本型ゲンジボタルは、西日本型に比べて発光の間隔が4秒で、飛翔もかなりゆっくりである。そのため、写真に撮ると光跡が弧を描かないので写真芸術的には「絵」にならない。掲載写真を見て「物足りない」と思う方もいらっしゃるかもしれないが、これが台風の被害から復活してきた姿であり、光跡は東日本型の確かな証でもある。ただし映像では、ゆったりと発光飛翔する様子に優雅を感じて頂けると思う。

以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと拡大表示されます。また動画においては、Youtubeで表示いただき、HD設定でフルスクリーンにしますと高画質でご覧いただけます。

水田の風景の写真

水田の風景
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1 / 絞り優先AE F8.0 1/125秒 ISO 320 +2/3EV(撮影地: 千葉県 2022.5.29 17:14)

東日本型ゲンジボタルの飛翔風景の写真

ゲンジボタル
Canon EOS 5D Mark Ⅱ / Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZE / バルブ撮影 F1.4 5秒 ISO 400 2分相当の多重(撮影地: 千葉県 2022.5.29 20:00~)

東日本型ゲンジボタルのの映像

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