キバネツノトンボの産卵の様子を長野県安曇野市の多産地で撮影したので紹介したい。
キバネツノトンボ Ascalaphus ramburi MacLachlan 1875は、アミメカゲロウ目(ordo Neuroptera)ツノトンボ科(Family Ascalaphidae) キバネツノトンボ属(Genus Ascalaphus)昆虫でトンボではなく、ウスバカゲロウの仲間である。本州、九州に分布し、体長は約23mmで山地から平野の草原に生息し、4月~6月に出現する。昼間活動し、草原を活発に飛翔しながら小さな昆虫を捕まえて食べている。
昨今、開発や植生遷移による草原の減少により生息地が限定され、個体数も少なくなってきている。環境省カテゴリには記載がないが、東京都では、ゲンゴロウやギフチョウなどと同じく「絶滅」。
岩手県、神奈川県、埼玉県、群馬県、富山県、大阪府、兵庫県のRDBでは絶滅危惧Ⅰ類に記載している。
キバネツノトンボは、長い触角と大きな複眼、そして独特の黒と黄色の組み合わせが特徴的で、愛嬌もある。同じツノトンボ科の「ツノトンボ」と「オオツノトンボ」も長い触角と大きな複眼が特徴であるが、翅は「ウスバカゲロウ」のように、細くて長いパラフィン紙の様であり、翅をバタつかせながら弱々しく飛ぶが、キバネツノトンボは、猛スピードで直線的に飛び、急に向きを変えたりする。トンボのようなホバリングはしないが、速度も自在に変化させる高い飛翔能力を持っている。
キバネツノトンボの多産地を訪れたのは、2013年に続いて今回で2回目。前回は午前中の早い時間帯で、その時は餌を探して上空を飛び回っていたが、今回は正午近くの訪問。多くの個体が低空を飛び回っていた。よく見ると、ほとんどがメスで、どうやら産卵場所を探していたらしい。そのうち1頭が草の茎に止まって産卵を始めた。腹部の先端を茎の左右に振りながら、卵を1つずつ丁寧に産みつけていった。(産卵数は56個)
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キバネツノトンボの産卵
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 200(撮影地:長野県安曇野市 2019.5.26 12:11)

キバネツノトンボの産卵
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 200(撮影地:長野県安曇野市 2019.5.26 12:13)

キバネツノトンボの産卵
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/250秒 ISO 200(撮影地:長野県安曇野市 2019.5.26 12:13)

キバネツノトンボの産卵
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F5.6 1/400秒 ISO 200(撮影地:長野県安曇野市 2019.5.26 12:18)

キバネツノトンボ(メス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/800秒 ISO 6400(撮影地:山梨県北杜市 2014.6.14)

キバネツノトンボ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 320 +2/3EV (撮影地:長野県佐久市 2011.6.4)

キバネツノトンボ(オス)
Canon EOS 7D / TAMRON SP AF70-200mm F/2.8 Di LD (IF) MACRO / 絞り優先AE F8.0 1/320秒 ISO 320 +2/3EV (撮影地:長野県佐久市 2011.6.4)
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