陣馬の滝は、静岡県富士宮市の五斗目木川にかかる滝で、源頼朝が富士の巻狩りで近くに陣を張ったことから「陣馬の滝」と呼ばれている。鐘山の滝の比べれば迫力に欠けるが、川からの直瀑と、溶岩層の隙間からの潜流瀑が何本か横から流れており、小さいながらも美しい滝である。
陣馬の滝には、近くに10台ほどが止められる専用駐車場があり、滝へは遊歩道で1分である。鐘山の滝は、撮影場所が限られたが、こちらはどこからでも自由に撮ることができる。初めて訪問する場所は、事前にネットの画像検索で情報を得るが、ネットの写真と実際に行って見たギャップはあるが、「自分は何を美しく思い、ここから何を感じ、何を表現したいのか・・・」自然との対峙が始まる。
直瀑は、まるで天女が舞い降りたかのようであり、周囲の潜流瀑は、それを祝う天子の宴のようにも思えた。
陣馬の滝では、私より先にコスプレイヤーたちが撮影に興じていた。鬼滅の刃のコスプレなのか定かではないが、NHKの大河ドラマ・ファンの私が扮するなら、源頼朝か北条義時だろう。かつて源頼朝が行った「富士の巻狩り」は、源頼朝が征夷大将軍たる権威を誇示するためや軍事演習などの目的があったとされる。今では、陣馬の滝がある富士宮市こそないが、富士の周囲には自衛隊の北富士及び東富士演習場があり、軍事演習が行われている。2013年にユネスコ世界遺産委員会によって「富士山ー信仰の対象と芸術の源泉」として世界文化遺産に登録されたが、一部では、戦車が走り砲弾が飛び交っている。この滝の天女は、そんな歴史をずっと見てきたのだろう。ずっと平和であることを祈りたい。
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