冬の天の川と夏の天の川のアーチの撮影に挑戦してきた。
カメラを持っての遠征は、何とおよそ7週間ぶり。平日は毎日会社に出勤したが、休日は新型コロナウイルスに感染しないよう、また濃厚接触者にもならないように自宅で自粛していたこともあるが、何より撮影したい光景との出会いのタイミングが合わないことで間が空いてしまった。
撮りたい光景はいくつもあるが、冬の天の川と夏の天の川のアーチもその一つ。毎年同じ場所で、毎回同じような写真を撮る気はないが、思う結果が得られていない場合は、自己満足できる域に達するまでは突き詰めたい。夏の天の川アーチは昨年初めて挑戦し、冬の天の川アーチはこれまで撮ったことがなく、今年は、どちらも撮ることを計画に入れチャンスを伺っていた。条件は、月がなく全天が快晴であること。運良く私の休日である2月27日と28日は最良の天気予報。ただし、撮影場所として予定していた信州は、西方向の北アルプスに厚い雲がかかるため断念。仕方なく変更して、富士山とともに冬の天の川と夏の天の川のアーチを撮影することにした。
まず、冬の天の川は、23時頃になるとかなり沈んでくる。冬の大三角と富士山とともに収められる場所として山中湖畔を選んだ。その場所では、1月4日に「しぶんぎざ流星群と冬の大三角」を撮っており、同じような絵になることが悔しい思いもあったが、主目的は冬の天の川アーチである。
27日、16時半。自宅を出発し中央道を下る。日曜日の夕方でもあり、更に事故もあって上りは大渋滞。それを横目にガラガラの下りを走行するのは優越感に浸れる。撮影時間は22時半頃からであるし、何度も訪れている場所でロケハンも必要ないから、もっと遅い時間に到着しても良いのだが、撮影前にその場の空気に体を馴染ませたいという思いがある。途中、談合坂SAで早めの夕食を取り、山中湖の駐車場に18時過ぎに到着した。
22時過ぎから湖畔に移動しカメラをセット。自宅にいた日中は気温が15℃近くまで上がり、春を感じた陽気であったが、山中湖畔の夜の気温はマイナス5℃。山中湖の湖面には氷が張っている。無風であるため、体感的には寒くないが、指先がすぐに冷たくなる。今回もレンズヒーターを巻いて撮影を開始した。
冬の天の川は、星が少ない銀河系の端の方向を見ることになるので、夏の天の川と比べて淡いため、信州の山岳地帯に行かないと肉眼ではほとんど確認できない。撮影場所の山中湖は、対岸にあるホテルの灯りや甲府の街明かりなどの影響で、写真にも写りにくいのが失敗であった。とりあえず真北から真南まで5枚を撮影し、パノラマ合成してみたのが1枚目の写真冬の天の川アーチである。
次は、夏の天の川アーチである。昨年は、2月20日に撮影し「富士山と天の川アーチ」として掲載しているが、撮影場所が国道沿いであったため大型車のライトが入ること、更には天の川アーチと富士山のバランスが悪かった。そこで、今回は富士を真東方向に臨め、また光害がない場所を念入りに探した。
山中湖を27日23時半に出発し、富士の反対側へ向かう。一先ず道の駅で小休止。28日午前3時に目的の場所へ移動した。昨年の場所と比較すると富士山の眺めは良いとは言えず、真南方向は沼津の街明かりが邪魔ではあるが、富士と天の川の構図は良いように思う。ここでも、真南から真北までカメラを回転させながら5枚撮影し、パノラマ合成してみた。その結果が2枚目の夏の天の川アーチである。参考に、昨年撮影したものが3枚目である。
この日は、午前4時過ぎに金星が富士の麓から顔をのぞかせた。5時過ぎには三日月が昇ってくる。本栖湖方面に移動すれば、富士山頂に金星と三日月が昇る光景をそれぞれ撮ることもできたが、午前7時までには自宅に戻らなければならず、撮影は叶わなかった。
毎回、所持するカメラとレンズの限界を感じながら、課題が山積する中での星景撮影であるが、今回は、星座や星の色にも気を配り、画質も昨年に比べれば向上したように思う。当然、満足できる結果ではないので、天候とのタイミングを見ながら、星々が素晴らしい信州の山岳地帯で撮り直しをしたいと思う。
最後になったが、地球はこの銀河の中のとても小さな存在であるが、ロシアがウクライナに軍事行為で侵攻し平和を乱すことが行われている。つながった同じ空を見上げて祈りたいと思う。
以下の掲載写真は、1920*1280 Pixels で投稿しています。写真をクリックしますと拡大表示されます。
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
東京ゲンジボタル研究所 古河義仁/Copyright (C) 2022 Yoshihito Furukawa All Rights Reserved.
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます