散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

小樽に行ったら天ぷらを食べよう

2008年04月06日 21時11分58秒 | 飲み歩き・北海道内
私は小樽の寿司屋に一度しか行ったことがない。そのときたまたま団体客がいたために、あまり良い扱いを受けなかったのだが、それを抜きにしても小樽の寿司屋には疑問がある。大体、店の前のショーケースを見ても値段が高すぎるよな。

しかし小樽の魚介類は札幌の平均値と比べて新鮮なのは間違いないような気がする。ならばその新鮮な魚介類を美味しく食べさせる店はどこだろうか。そんな時、生の魚も良いが、味と香りを出すために加熱して食べさせる天ぷらが一理ある料理に思えるのだ。

ということで小樽に来る度に行っているような「T」へ。日本酒を1合だけ燗してもらい、いつもの天ぷら盛り合わせだ。おっと、酒を頼むとその前に通しがでるのだが、今日はカニ・タコ・ツブ・ワカメの酢の物とちょっとゴージャスな通しがでた。



さて、天ぷらである。矢継ぎ早にホッキ、ホタテ、カニの大葉巻、イカ、エビ2、キス、なす、レンコン、しいたけ、しし唐がでた。ホタテはカスタネット状に半分包丁が入っているのだが、その片側だけでも口いっぱいになるほどの大きさ。

イカは信じられないほど柔らかく、エビは中心が絶妙の火の通り具合である。今日は大将の機嫌もよかったか、酒を飲んでいた私ともう一人の客に「これ食べてみて」と平目の縁側がサービスで出された。醤油をはじくほどのあぶらののりで、サービスありがとうございました。

さて、2軒目はいつものカクテルバー「A」だ。18時過ぎに私が一番目の客となったが、その後小樽の旦那衆が3人、それぞれ一人で飲みに来た。最初の一杯は消化を助けるジン+ソーダ+レモン+アロマティックビタース。ジンはダブル量くらい入っているので、結構強い。

この店は良く分からない店で、飲む人に合わせてアルコールを強化してくれるため、私のカクテルは相当のアルコール強度になっているらしい。しかもグラスにカクテルを入れても優に一口分くらいはシェイカーに残っており「7時前はサービス」ということらしいのだ(多分冗談である。7時以降もたっぷり入っている)。

2杯目はこの店ではいつも飲むシャンゼリゼだ。私の横に座っていたボウズ頭のオジサン(45歳位かなあ)が、「それはどんなカクテルなの。へー、ブランデーとシャルトリューズ。凄い強いねえ」と興味しんしんの模様。

3杯目はカルヴァドスとレモンとまた強力なカクテルにしたところ、またボウズ氏が興味を示す。調子よくなってきた私も意欲的に会話をし、いつしか小樽の寿司屋はいかがなものだろうという話になった。ボウズ氏は今日寿司屋に行き、シャリの具合をしげしげと眺めて、不審がられたらしい。

よし、明日も仕事だし最後は甘口のグラスホッパーで締めておこう。生クリームではなく牛乳入りのレシピなので、これまた多めに作ってもらい、その甘さとミント風味を楽しむ。



するとボウズ氏が「このウィスキー知ってるらしいから、こちらの人に一杯おごるよ」と自分の飲んでいたラガヴーリン16年をご馳走してくれることになった。本当はもう一杯くらい飲みたいなあと思っていたので、実にありがたい話だ。

ボウズ氏が「オレは水割りで飲むんだけど、酒にうるさい友達はとんでもないって言うんだよ。兄ちゃんはどうするの」というので、「えー、私もわりとストレート原理主義なので、ストレートで頂きます」ということになった。過剰なスモーキーさはないが、バランスの良さは随一ではないかと私が思うラガヴーリン。飲み干して、嬉しくて丁重に礼をして店をでた。

小樽はどこか人の距離感が近い気がする。

20080406ギャラリー巡り

2008年04月06日 16時44分54秒 | ART
本日のギャラリー巡りは道立近代美術館→大丸→突如思い立って小樽美術館→小樽文学館の4箇所。

■北海道立近代美術館「独立展」。200号という巡回作品の大きさもあるが、作品世界に圧倒される。かなりの人が画を描くということに自分の人生のウェートの多くを置いていると思われる作品が多いのだ。私は画を描く人間ではないから耐えられるが、画を描く人ならばこの展覧会を見た後に「家に帰って描かなきゃ!」と思うのではないだろうか。

木津文哉「紙の家」:木の家と門ををリアルに描いた作品で、こういうのはありだと思う。
久保田益央「祈」:祈る巡礼を描いた作品なのだが、この既視感はなんだろうか。
権藤信隆「L’animo bergine」:ヒロイックファンタジー調でありきたりともいえるが、描きこみがすごい。

塚本聰「二つの時」:中世風の橋と奥には近代的な摩天楼。橋の存在感が凄い。
栃内忠男「窓」:かつて見たことがあるが、力強くゆがんだ窓枠に圧倒される。
半那裕子「Alice in New Wonderland」:回廊や骨、卵と様々なイメージ。

福岡奉彦「引窓」:窓の外の空に船が浮かぶ空想的作品。
松永久「相」:紬を思わせるような藍色の縞模様が面白い。
湯澤宏「天国のラ・フランス昼と夜」:洋ナシと3人の女性を描いた象徴的な作品。

輪島進一「加速度」:見ようによっては「影分身! サスケ!」という作品。
服部誠「UF-71」:一原有徳を思わせるような不思議世界を描いている。

とにかく面白かった。昼食をはさんで大丸へ。

■大丸「ヨーロッパ絵画名作展」。おおむね落ち着く作品が多い。私はギュスターブ・ドレの「城の夕暮れ」が面白かった。黄昏の逆光が刺激的で、普通の風景画をもう少しで超えてしまいそうな作品だ。その他ミレイ、ターナー、ムリーリョ、ジェリコーと有名どころ多し。

ここで多少のアルコールの影響でスイッチが入り、突然小樽に行きたくなった。JR快速で2時過ぎに小樽着。さっそく小樽美術館だ。



■市立小樽美術館「中村善策展」。まずはいつもの1階から。今回は「山籟」「赤岩朝陽」が初見だろうか。正直な所、中村善策は最初「上手くねえなあ」と思っていた。しかし「新雪」の縦長の構図に手前から池、植物、森、雪山をみっしりと描いて破綻していないのを見ると、やっぱり凄い人なのだろうと思う。



2階の「家族を描く 暮らしを描く」はやはりちょっと甘口な感じ。大月源二が自作に対して家族の批評を聞きたがっていたという話は面白かった。家族がまた「ここでやめていたら最高」「わざとらしくないか」「上手すぎる」と辛口批評を浴びせていたらしいのが面白い。

一番良いと思ったのは、伊藤正「あおむける構図」だ。緑のカーペットに緑の服を着た女性が寝そべり、さらに青リンゴを登場させる難しい色彩感覚の作品である。

3階の「小樽チャーチル会展」はすっきりと楽しい作品が多く、好感が持てる。

■小樽市文学館「小林金三画展 小樽・街と家並み」。新聞に載っていたのを思い出したのも小樽に来たくなった理由の一つである。私は小樽の昔の建物を全然知らないが、昔を知っている人には涙ものではあるまいか。作品に添えられた小エッセイのような文章がまた面白い。

文学館に来ると名物副館長Tさんに声をかけてみたくなるのだが、どうしても勇気がない。本日もコーヒーとジャスミン茶を飲んで、古本から3冊ほど欲しい本を発見して文学館を出た。

困った時の

2008年04月06日 12時10分01秒 | 食べ歩き


今日は昼食をどうしようかと迷った結果、困った時の「S」。新さっぽろにはるばるやってきた。中学生・高校生女子、家族4人みたいな人たちが多い中、私だけ酒を注文だ。赤ワインとキャベツのピクルスとパルマ風スパゲッティを注文した。



とにかくこの店、めちゃめちゃ安いんだよな。ワインも250mlのデキャンタが(確か)190円だ。スパゲッティも最高というわけではないが、さっぱりしたトマトソースの味がする。

気分が良くなってきてマイカのパプリカソースと白ワインをグラスで追加。これだけやらかして千円だからなあ、なかなか悪くない。しかしちょっと酔った結果、この後、意外な方向に私の足はむかうことになった。