散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

琴似に戻り

2008年09月13日 20時18分18秒 | 飲み歩き・琴似界隈
琴似に急いで戻り、居酒屋「D」へ。

コップ小ビールをもらい、悩んだ結果、今日の刺身はスズキ/しめ鯖にしてみた。スズキはほど良く脂がのった感じ。しめ鯖は浅めのしめ方である。慌てて酒(山形の鶴翔純米大吟醸)を頼んであわせてみる。こりゃ素晴らしいわ。



続いて、鮭の白子ポン酢和えを注文。白子はボイルして熱々になったものを昆布を入れたポン酢につけて味をしみこませるらしい。ポン酢も自家製だろうか、かなりフレッシュな柑橘系の香りが予想以上にしっかりついている。

もう一品はポテトサラダ。この店のメニューで見たのは初めてのような気がするが、なかなか味付けはよい。ほんの少し醤油をたらして、酒の肴にも持って来いだ。酒はかなりビシッとした飲み口の松の司ひやおろしにチェンジ。さらに続いて東洋美人を飲む。

さて、食べ物のしめは豚肉の味噌漬け焼だ。これは肉の部分も良いが、脂身の部分がほど良く口中に溶け出すのが美味い。最後にカリフラワーのカレー風味ピクルスをつまみに、洋酒へ転じる。



まず洋酒1杯目はカースブリッジ43年。シングルモルトで43年ものだと気が狂うような値段になってしまうが、グレーンウィスキーなので程ほどのお値段なのだ。一般にグレーンウィスキーなんて味も何も無いという感じだが、さすがに自信のある原酒を43年寝かせたのだろう。材料の関係上、バーボン風味もするが、しっかりとした甘みが顔をのぞかせている。

洋酒2杯目はデラマンXOペール&ドライだ。今ネットで調べてみると熟成年数25年以上ということだが、名前の通り意外とドライな感じがする。しかしそこにマスターからマダガスカル産のチョコレートの差し入れが来た。こちらも甘み控えめのチョコレートだが、チョコ+ブランデーを口中に含むと! 2種類の味が混沌と交じり合い、お互いの足りない所をカバーして劇的に味を高めるのだ。

さすが私の通う店の中でも、食べる・飲むの両方を満足させる数少ない店の一つである。

夏継続?

2008年09月13日 17時44分05秒 | 食べ歩き
今日も快晴、少々暑い。

ギャラリー巡りの前に昼食。西18丁目近くの「Y」食堂へ。いつもラーメンを食べることが多いのだが、今日はちょっと暑いため冷やしたぬきにしてみた。あっさりしたツユ、麺に天かすのほど良い油分が加わる。



ギャラリー巡りを終えて、古本とビールの「A」にたどり着く。疲れてややぐったりしたところで、帝国IPAというビールを飲む。香りが強くすっきり目で苦味が残る。

ビールを飲みながら(もちろん手に持ってではない)書棚探し。蔵書票の本を発見して購入。版画の1ジャンルといって良いと思うが、制約されたスペース内での凝縮された表現が面白いのである。


20080913ギャラリー巡り

2008年09月13日 13時22分02秒 | ART
本日は近美→三岸好太郎美術館→資料館→コンチネンタル→大通→道新→時計台→たぴお→クロスホテル→富士フィルムフォトサロン→紀伊国屋→三越→さいとう→ARTスペース→趣味の郷の54箇所。

■北海道立近代美術館「よみがえる黄金文明展」。



行く前は「トラキアってどこ?」という感じであった。現在のブルガリアと分かってもピンとこない。ブルガリア=ヨーグルトという程度の考えしか浮かんでこない。

私は展示会場にある説明文をあまり読まない(先入観が湧かないように)のだが、それでもちょこちょこ見ているうちに何となく分かってきた。トラキアは独立した国家として成立したわけではないので、ギリシャ、ペルシア、ケルト、マケドニア、ローマなど周囲の国・民族の影響受けまくりのようだ。特にギリシャ神話をベースにしたデザインが多かっただろうか。

以下、興味を引いたもの。
・外科手術道具一式:かなり道具としては精密で、ちょっと怖くなってくる。
・兜:ブルーグリーンの深みのある色。サイズが小さくて、私の頭は入らなそう。
・イヤリング:スフィンクスのデザインが施された精巧なもの。素晴らしい。

・赤絵式ヒュドリア(カルピス):意外と達者な線でデザインが施されている。絵付けの職人技という感じだ。
・トラキア騎馬戦士像墓碑:ギリシャ文字が書かれているのだが、最後にハートマークに一本毛の生えたような記号が書かれている。まさか「戦士さま、ステキ(はーとまーく)」という意味じゃないだろうな。

・すね当て:アテナ頭部像がすねの部分についているのだ。ゴールドクロス(by聖闘士☆星矢)のパーツみたいだ。
・フィアラ杯:円形でゴージャスな作り。どんぐり紋はさておき、黒人頭部紋があるのは何故なんだろう。やはり奴隷として連れてこられた珍しい人間(動物?)扱いってことかなあ。

■これくしょん・ぎゃらりー「「季語」のみえる風景」。中々季節感のある作品というのも悪くないものである。

菅原無田「寒江捕鮭」:私にとっては、懐かしい千歳のインディアン水車の風景。
吉田秋光「十二ヶ月連幅 十一月(山茶花に小禽)」:背景画やや暗い淡色で冬の入りらしい風景。その中で花の赤(ピンク)が光る。

北岡文雄「晩秋の木曽路」:面白いほどカラフルな風景。結構遊び心を感じる。
北岡文雄「雪の降る街」:雪がしんしんと降りつつ、家の壁がピンク・緑・黄・赤とこちらもカラフル。暗い感じがしない。

寺崎広業「歳の市」



長大な作品、岩橋英遠「道産子追憶之巻」。近美によく来る人にとってはお馴染みだろうが、北海道の季節感がよくわかる。



「ふれるかたち」ということで、触っても良い安田侃の「対話」。



■三岸好太郎美術館「鳥海青児と三岸好太郎」。あまり事前に期待感を持っていなかったのだが、鳥海青児の作品好きだわ。まず入口からいきなり二人の「道化」対決。制作年が8~9年後の鳥海作品の方に大人の余裕を感じる。

鳥海青児はかなり強く絵具を使う人で、「水田」という作品は具体的な形はなく、画面いっぱい左右に絵具がぶちまけられている。じゃあダメかというと、立派に作品として成立はしているのだ。

さらに時代が下るともうすこし落ち着いてくる。「伊賀瓶子とメロン」「黄色い人」などは実に色彩感覚が優れていると思う。描いたものと同系色の背景が多く、一見地味だなあという感じなのだが、実物を見るとそれが良い。

特に「黄色い人」は下地のわずかなグリーンがのぞき、周囲の肌色、顔のグレー、手がかすかにピンク色と配色が絶妙だ。これはぜひ実物を見るべしという気がする。

三岸好太郎では「裸体」という作品は始めてみたような気がする。



■コンチネンタルギャラリー「WAVE NOW '08」。林亨の「心を浮かべて」はキャンバスの青からはみ出すような雲(心のイメージか?)。モネ「睡蓮」を思い浮かべるようでもあり、茫洋とした雰囲気が良い。

浅野修「○(円)」。白紙に巨大な円。円周上に置かれた鉄釜がぐるりと跡を残したかのようである。米谷雄平「聖樹」。炎で出来ているような樹木が宗教的にも見える。

■たぴお「TEN展 II」。佐々木俊二の作品が印象的だ。冷たい蒼で描かれた背景と枯れた花、空の白い皿・ナイフ・フォークが良い雰囲気だ。