散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

再訪

2008年09月23日 20時13分25秒 | ART
ということで、ギャラリー倫土を夕方再訪してみた。1階ギャラリーの窓からテラスを見下ろすと、まだ明るさが残る中、福井さんのキャンドルがあちこちに灯されていた。

そうだろ。やっぱりキャンドルは火を灯していなくては。夕暮れの刻一刻と明るさが失われていくなかで、やや強い風に火がゆらぐ。この光景を見るためには夕方に来なくてはならないなあ。キャンドルの不規則な形も、ゆらぎ感を出すという絶大な効果が見て分かる。

福井さんがキャンドルはぜひ使ってほしいと言っていた。形が綺麗なので「火をつけるのがもったいない」という人が多いらしいのだが、例えば入浴時に明りを消して灯してみるというのも良いのではないだろうか。残念ながら私は、入浴時に動きを止めている時間が数分間しかないので、どうにもふさわしくないのであるなあ。

その後、なりゆきで1杯やっているうちに、2階ギャラリーの木村さんの作品を見損ねてしまった。1階で見た限りだが、キャンドル主体の明りになると、画は違った姿を見せてくる。木村さん特有の精妙なタッチを見ることができないが、何ともいえない雰囲気が立ち上ってくるのだ。昔、日本画を自然光の中で鑑賞したときの感じはこのようなものではなかったのかと思う。

すっかり酔っ払った後に帰宅。大変楽しい展覧会であった。

20080923最近読んだ本

2008年09月23日 16時04分40秒 | 読書
■「見えないグリーン」ジョン・スラデック
どちらかというとSF・文学畑の作家の推理小説。ミステリ愛好会のメンバーが久しぶりの再開をきっかけに次々と殺される。なぜ殺されなければならないのか、またその犯人はメンバーの中に入るのか。かなり技巧的な本格派。

■「おのぼり物語」カラスヤサトシ
漫画家である主人公が状況を決意した頃の物語。学校や会社といった所属する所が決まっている状態で上京するのはいいが、何もないと辛いものである。

■「悪党たちは千里を走る」貫井徳郎
チンケな詐欺師が誘拐事件を引き起こし(というか巻き込まれ)、解決されるまでの事件。後味も良いし小気味いい。

以下、図書館の5冊。
■「おもいでごはん」飛田和緒監修
いろいろな人の思い出の味の話。私にとって一番思い出らしい味といえば、ホッケの蒲鉾かな。

■「もし僕らのことばがウイスキーであったなら」村上春樹
はるばるスコットランドまで行ったのだから、もう少しレアなウイスキーを飲んでほしいものだ。銘柄・年代自慢をされたら腹が立つと思うけど。

■「東京に核兵器テロ」高田純
爆発の瞬間にしななければ、フォールアウト(核物質の落下)による汚染をなるべく避けることにより生き延びる可能性が高くなるということだ。なるべく地下、またはゴツイ建物の中央部に退避しよう。

■「個人情報の現場」岡崎昂裕
タイトルから想像するIT関係、企業関係の個人情報管理のあり方の話ではない。興信所や調査に関する個人的な個人情報の取り扱いの話。

■「味な話味な旅」服部公一
まあ、筆者の年代から想像されるような話。

祝日の昼食

2008年09月23日 13時36分28秒 | 食べ歩き
祝日の今日はのんびり過ごす。二十四軒のビストロ「PE」にて肉のコース。まずは前菜。秋鮭とほうれん草のキッシュ、蝦夷鹿肉のサラミ シードル風味の赤キャベツのマリネ、野菜のエクレア、秋刀魚のスモーク 野菜のドミノ仕立ての4品である。



まずは温かいキッシュから。秋を感じさせる鮭となめらかなキッシュが美味い。続いて秋刀魚のスモークと小さくカットした野菜を合わせて食べる。ほど良い酸味と脂の感じ。サラミに添えられたキャベツのマリネもそうなのだが、「酸っぱい!」というほどではない酸味が、ちょうどよく食欲を刺激するのである。野菜のエクレアはクリームが入っているため、くどくない程度に濃厚な感じ。

続いてメイン、桜姫鶏のロティ 伊勢海老のアメリケーヌソースだ。私はアメリケーヌソースがことのほか好きで、それを楽しみに注文した料理であるが、それを気持ちよく裏切る味がする。



まずはソースの味わいがするのだが、その後ちょうどよく火の通った鶏肉をかみ締めると、歯ごたえと共にいい味がしみ出してくるのだ。火の入れ方がいいのだが、肉も良いのだろう。なるほどソースが勝ったままにならないわけだ。さらに脇を固める野菜陣もカブ・ジャガイモと楽しい味わいである。

最後にデザート。赤ワイン風味のミルクレープ、洋ナシのムース、木の実のレアショコラ、オレンジと紅茶のアイスの4品にコーヒー。それぞれ単独で食べても、混ぜて食べ合わせても面白い味わい。中でもオレンジと紅茶のアイス、この組み合わせは私の好物の一つだ。それとミルクレープがモチモチとしたクレープの間に、ほのかな赤ワインの香り。これにアイスをあわせるのも絶妙である。



満喫して床屋に行こうとしたところ休業日、ワイン屋も休業日。休日は思った通りにならなくてもやむを得まい。

ギャラリー倫土へ

2008年09月23日 11時22分49秒 | ART
ギャラリー倫土は歩いていけるくらい近い。といっても大通近辺なら歩いていったりする私でもある。今日は「木村環(ドローイング)・福井優子(キャンドル)」の展覧会で、初めて倫土へとやってきた。坂道でしばしギャラリーを発見できずにあせる。

しばらくして一軒家(ミヤシタっぽい?)であるギャラリーを発見。まずは2階のメイン展示会場から。

さて今回、キャンドル作家の福井さんとの二人展であるため、木村さんの作品には多く蝋燭が描かれている。形はごくオーソドックスな蝋燭だ。しかし、作品はちょっと怖ろしさが漂っている。

目をつぶって静止した人物もあるのだが、激しく首を振りその勢いに自分の魂がついてこれなくなっている(幽体離脱しかけている)ように見える人の姿は、静かに狂おしい。いつもの特徴的な髪は雰囲気を変え、やや太く触手状になり人物の体を包んでいる。それがまた福井さんの曲がった蝋燭で構成された祭壇に掲げられた画のようなのだ。

うかうかと日中来てしまったが、これは蝋燭の火がともる時間帯に来なくてはいけない。福井さんの作品に関しては、後日コメントをすることにしよう。資料館、NHKギャラリーで作品を見たことがあるのだが、今回プロフィールに「Progressive Candle=固定観念にとらわれない自由な発想のキャンドル作り」と書いてあるのを見た。

やっぱりそうだよね。もちろん言葉の意味は知っているのだが、プログレファンの私は、何となく「Progressive=様式美」という感覚がしてしょうがないのである(下らない余談でした)。

その後、1階ギャラリーを見てリンゴをご馳走になり、山の手の坂を下る。冒頭写真はギャラリーの裏庭。ギャラリー門馬もそうであるが、ここは札幌でしょうか。

合理的な解釈をせよ

2008年09月23日 05時46分47秒 | Weblog
下らない夢の話。

***
私は学生時代に戻っていた。年末のこと、下宿の建物が新築されて引越しをすることになった。荷物の移動をほぼすませて「ちょっと忘れ物があるから」と私は古い下宿に戻った。

すると誰もいないはずの建物の中に一人の男がいる。「こ、これは泥棒か?」と思ったが、よく見ると誰もが知っているであろう人、タモリだった。

思わず驚いて「タモリさんじゃないですか」と知り合いのように声をかけてしまう。タモリも特に驚くことなく「ちょっとやりたいことがあってさ」と言う。よく見ると下宿の一番大きな部屋にテーブルが準備され、その上に等間隔でビンがならべられている。

「これなんですか」と見ると、全て泡盛のビンで、沖縄各地の泡盛が1種類ずつならべられているようだ。「宴会でも始まるのか?」と思っていると、どこからともなく子供達が現れ、タモリが「さ、そこ座んなさい」と一人一人をテーブルに着かせている。会話で何となく分かるのだが、この子たちはどうも親がいないらしい。

そこでおもむろにタモリが私のほうを向いて、「さて、これは一体何をしようとしているのでしょうか?」

***
そんなの、知るか!