映画「オークション 盗まれたエゴン・シーレ」を観た。
1ユーロは2025年2月現在でだいたい160円くらいのようだ。主人公のアンドレとベルティナの会話で10や12という数字が出てくるのを、単位を聞いて母親が卒倒するシーンが予告編で紹介されていたが、日本円だと16億とか19億と言っているわけで、素人なら卒倒するのも当然の金額である。
本作品には悪人は登場しない。大金が絡むイベントだから、それぞれに思惑はある。狡猾な手段を使おうとする者も出現する。競売人であるアンドレは、顧客である売り手が損をしないように、妥当な評価額で売ろうとする。
何のことはない、本作品はお仕事ドラマなのである。パスカル・ボニゼール監督は、エゴン・シーレのひまわりが発見された実話を元に、上司や同僚、部下との人間関係や部下の個人的な事情、売り手の状況などを加味して、ダイナミックなストーリーに仕立て上げた。見事である。とても面白かった。