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九電・川内原発の審査が足踏み、夏の再稼働困難に

2014-05-28 08:34:40 | Weblog
九電・川内原発の審査が足踏み、夏の再稼働困難に 2014年05月28日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0E72NW20140527
 原子力規制委員会による九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の審査が、大詰めの段階に入って足踏みしている。規制委から求められている基本設計・方針に関する申請の再補正について、同社幹部は27日の会合で「今月末を目標にしていたが、もう少し時間がかかる」と発言。今後の手続きをにらむと、この夏の再稼働は困難な情勢だ。
 原子力規制委は今年3月、川内1、2号を新規制基準に基づく適合性の審査合格が見えてきた「優先審査」の対象に選定。昨年7月に始まった審査会合での指摘を踏まえ、九電は4月末に基本設計・方針にかかる「設置変更許可」の補正を申請した。
 ところが、規制委は5月8日の会合で、同補正に対して42件の記載の不備を指摘した。
 不備について規制委の更田豊志委員が「ほとんどは、(過去の)審査会合で説明をいったん受けており、内容についても議論を終えている」と指摘するなど、規制委と九電の間に意見の大きな食い違いがあるわけではない。

<九電、最終段階で慎重姿勢>
 この日の審査終了後、九電の中村明・上席執行役員は記者団に対し「再々補正はしたくないので時間が掛かっている」と述べた。再補正を受けて規制委は、事実上の「合格書」となる「審査書案」をまとめる。
 すでに実働部隊の原子力規制庁が審査書案の作成作業に着手済み。審査書案が完成するまでの期間は未定だが、規制庁の担当者は「何カ月もかかるものではない」としており、6月に再補正があれば、7月にも同案がまとまる可能性がある。その後、1カ月間の意見募集を行う。
 適合性審査は、基本設計・方針をみる設置変更許可のほか、機器類の詳細を確認する「工事計画認可」と、運転管理体制をみる「保安規定認可」で構成される。
 九電は、6月の基本設計の再補正の後に、工事計画認可と保安規定認可の補正申請を行う。九電の中村氏は、工事計画認可などの補正申請について「なるべく早く出したい」と述べたが、具体的な時期は言及しなかった。原子力規制庁の担当者によると、工事計画、保安規定の認可まで「月単位はかかる」という。

<再稼働は秋以降に>
 川内原発が審査合格になれば、つぎは鹿児島県や薩摩川内市など地元自治体の同意が焦点となるほか、原発の機器を検査する「使用前検査」が控える。
 使用前検査も1─2カ月程度かかるとみられ、各段階の手続きを考慮すると、夏の再稼働は困難な情勢だ。
 九電の山元春義副社長は今月16日、薩摩川内市議会で夏の再稼働は厳しいとの見解を示している。
 川内原発再稼働に向けた手続きは以下の通り。時期は目安で、各手続き要する期間は不透明な要素もある。



 21日に飛び込んできた関電の大飯原発3号機と4号機の地裁による運転差し止め命令に続いて、今度は九州電力の川内原発1号機と2号機の今夏の再稼働が困難という電力業界は勿論のこと、管内の製造業にとってもショッキングなニュースが飛び込んできました。
 う~ん。川内原発は1号機が1984年7月運転開始で、2号機も1985年11月運転開始とそこそこ古いこともあり、慎重になるのはわからなくもないのですが、北海道以外は電力ピークは夏でその電力ピークに稼働できなければ、稼働が1年先送りにもなりかねませんし、稼働が間にあわないとなると比較的余裕のある電力会社が九州に電力を融通して、その一方で足りない分を割高とわかっている天然ガスを海外から輸入する一見矛盾する言動も取らざるを得ず、貿易赤字が更にかさんでしまう悩みも高まってしまうわけで。
 日本社会の場合、基本的に長時間の停電を想定しておらず、3時間程度の計画停電でも医療機関などへの打撃は必至。地域の中核病院、そして地元の製造業を中心に今年の夏をどう乗り切るかが問われそうです。