宇都宮LRTシンポ、騒然 副市長が必要性強調、来場者ら大声で反論 2016年12月3日 下野
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20161204/2529431
宇都宮市などが進める次世代型路面電車(LRT)事業を主なテーマとするシンポジウム「公共交通のあり方を考える-LRTは市民の足になるか?-」(北海道・東北オンブズマンネットワーク主催)が3日、同市明保野町の県弁護士開館で開かれた。パネリストとして参加した同市の吉田信博(よしだのぶひろ)副市長が「このまま公共交通が死に絶えたら、50年後の人が尻拭いすることになる」と必要性を強調する中、複数の来場者が大声で反論するなど騒然とした雰囲気の中で行われた。
来場者約130人の大半が反対する中、吉田副市長は「LRTは目的ではなく、街づくりの手段」と市の狙いなどを説明。市長選で反対派の候補陣営が提示した情報について「ほとんどデマ」と強調し、「事業費は1千億円もかからない」「車の大渋滞は起きない」などと主張した。
一方、市民オンブズパーソン栃木の秋元照夫(あきもとてるお)事務局長は、LRTの運営を担う第三セクターの黒字予測に「減価償却費が除かれている。これを計上すれば赤字だ」と指摘。これに対し吉田副市長は「減価償却費は市の経営コストの部分にカウントする」と答え、第三セクターではなく市で負担する方針を示した。
この記事だけを読むとLRTという乗り物そのものを否定していると受け止められかねないだけに補足説明するならば、通常は県都にLRTなどの路面電車を敷くというと、JRの主要駅から百貨店などがある繁華街に向けて計画を進めるパターンを想像しますが、実は今回の計画はJR宇都宮駅と芳賀町の芳賀・高根沢工業団地を結ぶ14.6キロを整備するという謎プラン。
余所者目線で考えても
「中心市街地方面に延ばすのでなければ高齢者が気軽に外出するなど市街地の活性化にはつながらないのでは?」
「事業費の算出も与党は458億円としているのに対して、野党は駅西側も含めたらおそらく(2倍の)1000億円は下らないと予算規模の算出にも大きな隔たりがあること」
「そもそも工業団地はまとまった土地が安く手に入るから建設できたわけで、そんな場所に延ばして通勤需要以外の利用者を期待できるのか?」
「最悪赤字を補てんすることになったら、宇都宮市が責任を取るのは当然としても、芳賀町も財政補てんするだけの覚悟はあるのか」などなどいろんな疑問が浮かぶのですが、そういう意味ではシンポジウムが大荒れになってしまったのも無理からぬことだと思います。
先月の20日に行われた県知事選と宇都宮市長選でも、このLRT問題が最大の焦点になりましたが、県知事選は現職が挑戦者に3倍半以上の圧倒的大差をつけて大勝したのに対して、宇都宮市長選はかなりの接戦に追い込まれた(現職の佐藤栄一氏は89840票を獲得して4選を決めるも、ほとんど無名だった金子達氏も83634票を獲得しました)ことでもわかるように市民の関心は非常に高く、せっかくLRTを活用するのならば市民にとって最大限の恩恵を受ける形でのプランを練ればいいのに何でそっち方面(中心市街地とは反対側)に延ばすかな…などとついつい余計なことを考えてしまいます。
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20161204/2529431
宇都宮市などが進める次世代型路面電車(LRT)事業を主なテーマとするシンポジウム「公共交通のあり方を考える-LRTは市民の足になるか?-」(北海道・東北オンブズマンネットワーク主催)が3日、同市明保野町の県弁護士開館で開かれた。パネリストとして参加した同市の吉田信博(よしだのぶひろ)副市長が「このまま公共交通が死に絶えたら、50年後の人が尻拭いすることになる」と必要性を強調する中、複数の来場者が大声で反論するなど騒然とした雰囲気の中で行われた。
来場者約130人の大半が反対する中、吉田副市長は「LRTは目的ではなく、街づくりの手段」と市の狙いなどを説明。市長選で反対派の候補陣営が提示した情報について「ほとんどデマ」と強調し、「事業費は1千億円もかからない」「車の大渋滞は起きない」などと主張した。
一方、市民オンブズパーソン栃木の秋元照夫(あきもとてるお)事務局長は、LRTの運営を担う第三セクターの黒字予測に「減価償却費が除かれている。これを計上すれば赤字だ」と指摘。これに対し吉田副市長は「減価償却費は市の経営コストの部分にカウントする」と答え、第三セクターではなく市で負担する方針を示した。
この記事だけを読むとLRTという乗り物そのものを否定していると受け止められかねないだけに補足説明するならば、通常は県都にLRTなどの路面電車を敷くというと、JRの主要駅から百貨店などがある繁華街に向けて計画を進めるパターンを想像しますが、実は今回の計画はJR宇都宮駅と芳賀町の芳賀・高根沢工業団地を結ぶ14.6キロを整備するという謎プラン。
余所者目線で考えても
「中心市街地方面に延ばすのでなければ高齢者が気軽に外出するなど市街地の活性化にはつながらないのでは?」
「事業費の算出も与党は458億円としているのに対して、野党は駅西側も含めたらおそらく(2倍の)1000億円は下らないと予算規模の算出にも大きな隔たりがあること」
「そもそも工業団地はまとまった土地が安く手に入るから建設できたわけで、そんな場所に延ばして通勤需要以外の利用者を期待できるのか?」
「最悪赤字を補てんすることになったら、宇都宮市が責任を取るのは当然としても、芳賀町も財政補てんするだけの覚悟はあるのか」などなどいろんな疑問が浮かぶのですが、そういう意味ではシンポジウムが大荒れになってしまったのも無理からぬことだと思います。
先月の20日に行われた県知事選と宇都宮市長選でも、このLRT問題が最大の焦点になりましたが、県知事選は現職が挑戦者に3倍半以上の圧倒的大差をつけて大勝したのに対して、宇都宮市長選はかなりの接戦に追い込まれた(現職の佐藤栄一氏は89840票を獲得して4選を決めるも、ほとんど無名だった金子達氏も83634票を獲得しました)ことでもわかるように市民の関心は非常に高く、せっかくLRTを活用するのならば市民にとって最大限の恩恵を受ける形でのプランを練ればいいのに何でそっち方面(中心市街地とは反対側)に延ばすかな…などとついつい余計なことを考えてしまいます。