新銀行東京の詐欺事件、大阪の会社が半年で1億円引き出す 2008年10月29日 読売夕刊
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081029-OYT1T00393.htm
新銀行東京(東京都新宿区)を舞台にした詐欺事件で、受け皿会社を通じて約5000万円の融資を不正に引き出した大阪市のソフトウエア開発販売会社「アシストプラン」が、この融資の半年前にも、新銀行から約5000万円の融資を受けていたことがわかった。
同社は当時、資金繰りに窮していたが、無担保融資の上限である約5000万円を調達していた。警視庁は、同社が最初の融資で新銀行の甘い審査に目をつけ、さらに資金調達を図るため、別会社を使った不正融資を画策したとみている。
同庁や同社の関係者によると、アシストプランは2006年3月ごろ、新銀行の上野出張所に融資を申し込んだ。同社は当時、すでに資金難に陥っていたが、同行の審査の結果、無担保、無保証融資の上限にあたる約5000万円の融資が実行された。
同社会長で元指定暴力団住吉会系組員の大丸正志容疑者(46)らは、この融資をきっかけに、中野区の設備会社「リフレックス」を受け皿とした融資金の詐取を計画。相談を受けたブローカーの渡部善和容疑者(49)が、同行池袋出張所の行員だった旧知の青木千代美容疑者(56)に犯行を持ちかけていたという。
新銀行では、迅速な融資を行うとして、無担保融資申し込みの際に提出する財務データなどをコンピューターで分析する審査手法を導入。今年3月に公表した新銀行の内部調査では、融資先の訪問調査が徹底されず、通帳による資金の確認も「必要ない」と指示されていたことなどが明らかになっている。アシストプランは、最初の5000万円について、融資から約1年半後には返済を滞らせており、現在、約3600万円が焦げ付いている。リフレックスを受け皿にした不正融資でも、犯行の発覚を遅らせるために見せかけで返済した約750万円以外の約4250万円が焦げ付いており、2件の融資で、総額約7850万円が回収不能になっている。
同庁は29日、青木容疑者ら7人を東京地検に送検したが、アシストプランの最初の融資についても、申請書類の内容に不審点がないかどうか調べている。
新銀行東京の融資金詐欺、元行員が虚偽の報告書 2008年10月30日
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20081030AT1G2903V29102008.html
産経 http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/081101/crm0811010123001-n1.htm
新銀行東京(東京・新宿)の融資金詐欺事件で、元行員の青木千代美容疑者(56)が営業実態のないダミー会社に融資するため、融資先とは別会社の事務所の写真を添付するなどした虚偽の現地調査報告書を上司に提出していたことが、29日警視庁捜査2課の調べでわかった。同課はリベートなどを目当てに同容疑者が積極的に不正融資に関与した疑いがあるとみている。
調べによると、青木容疑者は2006年9月、ブローカーの渡部善和容疑者(49)を通じ、ソフトウエア会社「アシストプラン」会長の大丸正志容疑者(46)から依頼を受け、同社の関連会社「リフレックス」に約5000万円を不正融資した疑いが持たれている。
新銀行東京詐欺:青木容疑者、借り入れ記載の削除を指示 2008年10月30日 毎日
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20081030k0000e040063000c.html
新銀行東京(本店・東京都新宿区)の融資を巡る詐欺事件で、元池袋出張所契約社員、青木千代美容疑者(56)が営業実態のない給排水設備会社「リフレックス」(中野区)への融資を自分が担当できるようにするため、決算報告書からソフトウエア開発会社「アシストプラン」(大阪市)からの借り入れを削除するよう求めていたことが分かった。ア社は上野出張所と取引があり、借り入れを記載すれば上野出張所が窓口になるのが通例。警視庁捜査2課は、青木容疑者が高額ノルマ達成のための工作をしたとみて追及する。
調べでは、リ社が06年9月に融資を受ける際、決算報告書などの会計書類を提出する必要があったが、決算書には当初ア社からの借り入れ約600万円が記載されていた。新銀行によると、融資を申請した会社の借入先が新銀行から融資を受けている場合、関連会社として担当窓口が一本化されるのが通常だという。
ア社は06年3月に上野出張所から約5000万円の融資を受けていたため、両社の関係が伝わると池袋出張所の青木容疑者が担当できない恐れがあった。
そのため青木容疑者は、仲介する金融ブローカーを通じ、元暴力団組員でア社会長、大丸正志容疑者(46)らに削除を指示したという。青木容疑者は調べに「半年で10億円を超えるノルマがあった。ノルマ達成のために詐欺をやった」と供述しており、捜査2課は実績作りのためだったとみている。
新銀行東京の元行員、入行前からブローカーと関係 2008年10月30日 読売夕刊
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081030-OYT1T00465.htm
新銀行東京(東京都新宿区)を舞台にした詐欺事件で、警視庁に逮捕された元行員の青木千代美容疑者(56)が、同行入行前、京都市内にある大証2部上場のネジ製造会社の役員を務め、総務などを担当していた時期に、今回の事件で共犯として逮捕されたブローカーの渡部善和容疑者(49)と知り合ったことが分かった。
同庁では、2人が関係を深めた経緯について調べている。
同庁などによると、青木容疑者は約20年間、旧住友銀行で勤務した後、2000年8月にネジ製造会社に入社。翌01年6月から、「一身上の都合」で04年3月に退社するまでの2年10か月間、役員を務めたが、「銀行出身で経理業務に明るく、社歴は短いものの信頼を寄せられていた」(関係者)という。
このネジ製造会社は1917年に設立された老舗メーカー。株の買い占めで名をはせた横井英樹氏(故人)の一族が経営の実権を長年握っていたほか、役員の内紛がたびたび表面化していた。青木容疑者はこの間、部外者との折衝業務などを担当する常務取締役総務部長も務め、社外での人脈を広げたという。同庁では、仕事を通じて渡部容疑者と知り合った可能性もあるとみている。
新銀行東京元行員「報奨金得たかった」…ノルマ達成で不正か 2008年10月30日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081030-OYT1T00034.htm
新銀行東京を舞台にした詐欺事件で、警視庁に逮捕された元行員の青木千代美容疑者(56)が「融資のノルマを達成して報奨金を得たかった」と供述していることがわかった。
実際、逮捕容疑となった都内の設備会社への5000万円の融資などが評価され、2006年には計約70万円の報奨金を受け取っていた。同庁は、報奨金目当てに不正融資に加担したとみて調べている。
同庁関係者によると、当時、新銀行では行員ごとに融資のノルマが設定され、これを上回ると、年間最大200万円の報奨金が行員に支払われていた。多くの行員が、月数千万円の融資案件をまとめるのに苦労する中、青木容疑者は毎月億単位の融資を獲得しており、07年3月に退職するまでに約100社に総額約23億円の融資を成立させた。
これらの中には、青木容疑者がブローカーらと手を組んで数%の手数料を受け取っていた融資もあったが、さらに青木容疑者は、返済が半年以上続かないと同行の報奨金の対象にならないため、融資先に「半年以上は返済を続けてくれ」と依頼していたという。結局、青木容疑者がかかわった融資のうち十数社への約3億6000万円分が返済不能となっている。
逮捕の新銀行東京元行員、入行前に個人破産 2008年10月31日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081031-OYT1T00080.htm
新銀行東京を舞台にした詐欺事件で、警視庁に逮捕された元行員の青木千代美容疑者(56)が、上場企業の役員を務めていた2003年7月、個人破産していたことがわかった。
翌年、同社を退社した青木容疑者は06年1月、融資の獲得実績に応じて年間最大200万円の報奨金を得られる契約社員として新銀行に入行した。同庁では、青木容疑者が生活水準を上げるため、不正融資に加担した可能性があるとみている。
同庁関係者によると、青木容疑者は、京都市にある大証2部上場のネジ製造会社で役員をしていた03年7月、東京地裁で破産を宣告された。青木容疑者は調べに対し、「金銭問題があり、破産せざるを得なかった」と話しているという。新銀行東京は「過去の破産は採用には関係がない」としている。
また、青木容疑者が、逮捕容疑となった都内の設備会社への5000万円の融資に絡み、ブローカーの渡部善和容疑者(49)から受け取った手数料約100万円を、証券会社にある自分の口座に入金していたことも判明。同庁は、投資目的だったとみて、詳しい使途を調べている。
新銀行東京詐欺:マージンで株取引 400万円つぎ込む 2008年11月1日 毎日
http://mainichi.jp/select/biz/news/20081101k0000e040060000c.html
新銀行東京(本店・東京都新宿区)の融資詐欺事件で、同銀行元契約社員、青木千代美容疑者(56)が融資先からキックバックさせたマージン約400万円をすべて株取引の資金につぎ込んでいたことが分かった。不正融資でノルマを達成した見返りに支給された成果手当も投資に使っていたという。警視庁捜査2課は、青木容疑者が不正融資に手を染める動機が株取引の資金稼ぎだったとみて追及する。
青木容疑者は06年9月、不正融資に協力した手数料として、融資先のソフトウエア開発会社「アシストプラン」(大阪市)会長、大丸正志容疑者(46)から100万円を受け取っていた。さらに、以前の勤務先の元同僚で金融ブローカー、渡部善和容疑者(49)から紹介を受けた3件の融資で計約300万円の謝礼を受け取っていたという。
調べでは、青木容疑者は当時、株取引にのめり込み、資金を必要としていたという。不正融資で約400万円のマージンを得たもののすべて使い切っていた。「半年で融資額10億円」というノルマをクリアして得た約70万円の成果手当もつぎ込んでいた。しかし、多くの取引で失敗し、多額の損失を出していたという。
青木容疑者は新銀行に在籍した1年3カ月間で約100社に約23億円を融資。池袋出張所の中でノルマをクリアした随一の営業マンとして知られていたが、一方で約3億6000万円の焦げ付きを出していた。
元行員によると、成果手当は融資先の倒産や返済延滞にかかわらず融資実績だけで支給されており、捜査2課は青木容疑者が株取引の資金を手に入れるため、なりふり構わず融資を進めたとみている。
石原都知事、公的資金注入の新銀行東京除外案を批判 2008年11月1日 毎日
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20081031AT2C3102431102008.html
東京都の石原慎太郎知事は31日の記者会見で、金融機関への公的資金の予防的な注入を可能とする金融機能強化法改正案の審議で、新銀行東京を対象外にすべきだとの意見が出ていることについて「法律がゆがめられる」と批判的な考えを示した。
新銀行東京は都が設立し、ずさんな経営から経営難に陥っている。同行の除外は民主党の要求。
石原知事は「民主党がこの問題を来年の都議選を控えて政局にしようとしているのは見え見え」と指摘。「経済状況を深く斟酌(しんしゃく)せず、法律のできる前に、特定のセクターの名前を出して、該当するしないと議論するのは健全な議論ではない」とけん制した。
元行員が金融ブローカーなどと共謀して不正融資を引き出していた件で、とうとう逮捕者まで出してしまった新銀行東京ですが、勿論、不正融資をした青木容疑者が一番悪いのですが、一連の報道を見ていると、そんな青木容疑者にこれ程簡単に不正な融資を許してしまうような銀行の体質についてもかなり問題がありそうですね。
まず、詐欺事件に関わった大阪の会社ですが、半年前も5000万円の無担保融資をうけていたにも関わらず、上野出張所で5000万円の追加融資をしていますが、融資先の訪問調査さえ行なっていなかったことが発覚。
これだけ多額の金額を融資するならば、企業の実態を調べるのは常識以前なのに、実際に自分の足で企業の実態も調べるなり、帝国データーバンクなどの信用調査機関にも信用調査依頼を出さないなんて愚かにも程があります。
そして逮捕された元行員ですが、営業実態のない虚偽の報告書を提出して、その報告書を上司が何の疑いもなく受け入れていたことや、この元行員が借り入れ記載を削除するように自ら指南していたことも発覚し、この元行員が中途採用で入行する前からブローカーと関係のあったことも発覚。(確かに今は個人情報保護がうるさくはなってはいますが、銀行まで採用候補者の身元調査さえ行なわなくなっているのでしょうか???)
そして一番吃驚したのが、この元行員が個人破産の経験があるというのに、採用しているという点。勿論個人破産といっても中には親の経営していた会社が破産したことに巻き込まれるようなケースもあるとは思いますが、まともな会社ならこのような前歴のある人間は経理などお金の絡む部署には配属しないものですし、銀行でもシステム部門など特殊な部署ならともかく、営業として採用するというのは考えにくいところ。それなのに、新銀行東京は、「過去の破産は採用には関係がない」と言い切っているのも、とてもお金を融資する組織とは思えない体たらくぶりです。
それなのに石原都知事は、『金融機能強化法改正案の審議で、新銀行東京を対象外にすべきだとの意見が出ていることについて「法律がゆがめられる」』などとまたまた感情に走った発言をしているようですが、都知事は本気でこんな銀行を名乗ることさえ恥ずかしいような組織相手に、公的資金(税金)を投入することができるとでも思っているのでしょうか…。
逮捕されたブローカーに限らず、ブローカーの間では『新銀行東京の審査は消費者金融の審査よりも緩い』とさんざんバカにされていたことは周知の事実ですし、どうも都知事本人は申請する気まんまんのようですが、救済すべき金融機関とそうでない金融機関を選別するのは常識以前の話ですし、万が一にも、暴力団やブローカーに資金が流れている捜査をしている真っ最中の金融機関相手に公的資金など投入などすれば、それこそ日本の金融制度の信頼性そのものを世界から疑われかねないと思います。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081029-OYT1T00393.htm
新銀行東京(東京都新宿区)を舞台にした詐欺事件で、受け皿会社を通じて約5000万円の融資を不正に引き出した大阪市のソフトウエア開発販売会社「アシストプラン」が、この融資の半年前にも、新銀行から約5000万円の融資を受けていたことがわかった。
同社は当時、資金繰りに窮していたが、無担保融資の上限である約5000万円を調達していた。警視庁は、同社が最初の融資で新銀行の甘い審査に目をつけ、さらに資金調達を図るため、別会社を使った不正融資を画策したとみている。
同庁や同社の関係者によると、アシストプランは2006年3月ごろ、新銀行の上野出張所に融資を申し込んだ。同社は当時、すでに資金難に陥っていたが、同行の審査の結果、無担保、無保証融資の上限にあたる約5000万円の融資が実行された。
同社会長で元指定暴力団住吉会系組員の大丸正志容疑者(46)らは、この融資をきっかけに、中野区の設備会社「リフレックス」を受け皿とした融資金の詐取を計画。相談を受けたブローカーの渡部善和容疑者(49)が、同行池袋出張所の行員だった旧知の青木千代美容疑者(56)に犯行を持ちかけていたという。
新銀行では、迅速な融資を行うとして、無担保融資申し込みの際に提出する財務データなどをコンピューターで分析する審査手法を導入。今年3月に公表した新銀行の内部調査では、融資先の訪問調査が徹底されず、通帳による資金の確認も「必要ない」と指示されていたことなどが明らかになっている。アシストプランは、最初の5000万円について、融資から約1年半後には返済を滞らせており、現在、約3600万円が焦げ付いている。リフレックスを受け皿にした不正融資でも、犯行の発覚を遅らせるために見せかけで返済した約750万円以外の約4250万円が焦げ付いており、2件の融資で、総額約7850万円が回収不能になっている。
同庁は29日、青木容疑者ら7人を東京地検に送検したが、アシストプランの最初の融資についても、申請書類の内容に不審点がないかどうか調べている。
新銀行東京の融資金詐欺、元行員が虚偽の報告書 2008年10月30日
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20081030AT1G2903V29102008.html
産経 http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/081101/crm0811010123001-n1.htm
新銀行東京(東京・新宿)の融資金詐欺事件で、元行員の青木千代美容疑者(56)が営業実態のないダミー会社に融資するため、融資先とは別会社の事務所の写真を添付するなどした虚偽の現地調査報告書を上司に提出していたことが、29日警視庁捜査2課の調べでわかった。同課はリベートなどを目当てに同容疑者が積極的に不正融資に関与した疑いがあるとみている。
調べによると、青木容疑者は2006年9月、ブローカーの渡部善和容疑者(49)を通じ、ソフトウエア会社「アシストプラン」会長の大丸正志容疑者(46)から依頼を受け、同社の関連会社「リフレックス」に約5000万円を不正融資した疑いが持たれている。
新銀行東京詐欺:青木容疑者、借り入れ記載の削除を指示 2008年10月30日 毎日
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20081030k0000e040063000c.html
新銀行東京(本店・東京都新宿区)の融資を巡る詐欺事件で、元池袋出張所契約社員、青木千代美容疑者(56)が営業実態のない給排水設備会社「リフレックス」(中野区)への融資を自分が担当できるようにするため、決算報告書からソフトウエア開発会社「アシストプラン」(大阪市)からの借り入れを削除するよう求めていたことが分かった。ア社は上野出張所と取引があり、借り入れを記載すれば上野出張所が窓口になるのが通例。警視庁捜査2課は、青木容疑者が高額ノルマ達成のための工作をしたとみて追及する。
調べでは、リ社が06年9月に融資を受ける際、決算報告書などの会計書類を提出する必要があったが、決算書には当初ア社からの借り入れ約600万円が記載されていた。新銀行によると、融資を申請した会社の借入先が新銀行から融資を受けている場合、関連会社として担当窓口が一本化されるのが通常だという。
ア社は06年3月に上野出張所から約5000万円の融資を受けていたため、両社の関係が伝わると池袋出張所の青木容疑者が担当できない恐れがあった。
そのため青木容疑者は、仲介する金融ブローカーを通じ、元暴力団組員でア社会長、大丸正志容疑者(46)らに削除を指示したという。青木容疑者は調べに「半年で10億円を超えるノルマがあった。ノルマ達成のために詐欺をやった」と供述しており、捜査2課は実績作りのためだったとみている。
新銀行東京の元行員、入行前からブローカーと関係 2008年10月30日 読売夕刊
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081030-OYT1T00465.htm
新銀行東京(東京都新宿区)を舞台にした詐欺事件で、警視庁に逮捕された元行員の青木千代美容疑者(56)が、同行入行前、京都市内にある大証2部上場のネジ製造会社の役員を務め、総務などを担当していた時期に、今回の事件で共犯として逮捕されたブローカーの渡部善和容疑者(49)と知り合ったことが分かった。
同庁では、2人が関係を深めた経緯について調べている。
同庁などによると、青木容疑者は約20年間、旧住友銀行で勤務した後、2000年8月にネジ製造会社に入社。翌01年6月から、「一身上の都合」で04年3月に退社するまでの2年10か月間、役員を務めたが、「銀行出身で経理業務に明るく、社歴は短いものの信頼を寄せられていた」(関係者)という。
このネジ製造会社は1917年に設立された老舗メーカー。株の買い占めで名をはせた横井英樹氏(故人)の一族が経営の実権を長年握っていたほか、役員の内紛がたびたび表面化していた。青木容疑者はこの間、部外者との折衝業務などを担当する常務取締役総務部長も務め、社外での人脈を広げたという。同庁では、仕事を通じて渡部容疑者と知り合った可能性もあるとみている。
新銀行東京元行員「報奨金得たかった」…ノルマ達成で不正か 2008年10月30日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081030-OYT1T00034.htm
新銀行東京を舞台にした詐欺事件で、警視庁に逮捕された元行員の青木千代美容疑者(56)が「融資のノルマを達成して報奨金を得たかった」と供述していることがわかった。
実際、逮捕容疑となった都内の設備会社への5000万円の融資などが評価され、2006年には計約70万円の報奨金を受け取っていた。同庁は、報奨金目当てに不正融資に加担したとみて調べている。
同庁関係者によると、当時、新銀行では行員ごとに融資のノルマが設定され、これを上回ると、年間最大200万円の報奨金が行員に支払われていた。多くの行員が、月数千万円の融資案件をまとめるのに苦労する中、青木容疑者は毎月億単位の融資を獲得しており、07年3月に退職するまでに約100社に総額約23億円の融資を成立させた。
これらの中には、青木容疑者がブローカーらと手を組んで数%の手数料を受け取っていた融資もあったが、さらに青木容疑者は、返済が半年以上続かないと同行の報奨金の対象にならないため、融資先に「半年以上は返済を続けてくれ」と依頼していたという。結局、青木容疑者がかかわった融資のうち十数社への約3億6000万円分が返済不能となっている。
逮捕の新銀行東京元行員、入行前に個人破産 2008年10月31日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081031-OYT1T00080.htm
新銀行東京を舞台にした詐欺事件で、警視庁に逮捕された元行員の青木千代美容疑者(56)が、上場企業の役員を務めていた2003年7月、個人破産していたことがわかった。
翌年、同社を退社した青木容疑者は06年1月、融資の獲得実績に応じて年間最大200万円の報奨金を得られる契約社員として新銀行に入行した。同庁では、青木容疑者が生活水準を上げるため、不正融資に加担した可能性があるとみている。
同庁関係者によると、青木容疑者は、京都市にある大証2部上場のネジ製造会社で役員をしていた03年7月、東京地裁で破産を宣告された。青木容疑者は調べに対し、「金銭問題があり、破産せざるを得なかった」と話しているという。新銀行東京は「過去の破産は採用には関係がない」としている。
また、青木容疑者が、逮捕容疑となった都内の設備会社への5000万円の融資に絡み、ブローカーの渡部善和容疑者(49)から受け取った手数料約100万円を、証券会社にある自分の口座に入金していたことも判明。同庁は、投資目的だったとみて、詳しい使途を調べている。
新銀行東京詐欺:マージンで株取引 400万円つぎ込む 2008年11月1日 毎日
http://mainichi.jp/select/biz/news/20081101k0000e040060000c.html
新銀行東京(本店・東京都新宿区)の融資詐欺事件で、同銀行元契約社員、青木千代美容疑者(56)が融資先からキックバックさせたマージン約400万円をすべて株取引の資金につぎ込んでいたことが分かった。不正融資でノルマを達成した見返りに支給された成果手当も投資に使っていたという。警視庁捜査2課は、青木容疑者が不正融資に手を染める動機が株取引の資金稼ぎだったとみて追及する。
青木容疑者は06年9月、不正融資に協力した手数料として、融資先のソフトウエア開発会社「アシストプラン」(大阪市)会長、大丸正志容疑者(46)から100万円を受け取っていた。さらに、以前の勤務先の元同僚で金融ブローカー、渡部善和容疑者(49)から紹介を受けた3件の融資で計約300万円の謝礼を受け取っていたという。
調べでは、青木容疑者は当時、株取引にのめり込み、資金を必要としていたという。不正融資で約400万円のマージンを得たもののすべて使い切っていた。「半年で融資額10億円」というノルマをクリアして得た約70万円の成果手当もつぎ込んでいた。しかし、多くの取引で失敗し、多額の損失を出していたという。
青木容疑者は新銀行に在籍した1年3カ月間で約100社に約23億円を融資。池袋出張所の中でノルマをクリアした随一の営業マンとして知られていたが、一方で約3億6000万円の焦げ付きを出していた。
元行員によると、成果手当は融資先の倒産や返済延滞にかかわらず融資実績だけで支給されており、捜査2課は青木容疑者が株取引の資金を手に入れるため、なりふり構わず融資を進めたとみている。
石原都知事、公的資金注入の新銀行東京除外案を批判 2008年11月1日 毎日
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20081031AT2C3102431102008.html
東京都の石原慎太郎知事は31日の記者会見で、金融機関への公的資金の予防的な注入を可能とする金融機能強化法改正案の審議で、新銀行東京を対象外にすべきだとの意見が出ていることについて「法律がゆがめられる」と批判的な考えを示した。
新銀行東京は都が設立し、ずさんな経営から経営難に陥っている。同行の除外は民主党の要求。
石原知事は「民主党がこの問題を来年の都議選を控えて政局にしようとしているのは見え見え」と指摘。「経済状況を深く斟酌(しんしゃく)せず、法律のできる前に、特定のセクターの名前を出して、該当するしないと議論するのは健全な議論ではない」とけん制した。
元行員が金融ブローカーなどと共謀して不正融資を引き出していた件で、とうとう逮捕者まで出してしまった新銀行東京ですが、勿論、不正融資をした青木容疑者が一番悪いのですが、一連の報道を見ていると、そんな青木容疑者にこれ程簡単に不正な融資を許してしまうような銀行の体質についてもかなり問題がありそうですね。
まず、詐欺事件に関わった大阪の会社ですが、半年前も5000万円の無担保融資をうけていたにも関わらず、上野出張所で5000万円の追加融資をしていますが、融資先の訪問調査さえ行なっていなかったことが発覚。
これだけ多額の金額を融資するならば、企業の実態を調べるのは常識以前なのに、実際に自分の足で企業の実態も調べるなり、帝国データーバンクなどの信用調査機関にも信用調査依頼を出さないなんて愚かにも程があります。
そして逮捕された元行員ですが、営業実態のない虚偽の報告書を提出して、その報告書を上司が何の疑いもなく受け入れていたことや、この元行員が借り入れ記載を削除するように自ら指南していたことも発覚し、この元行員が中途採用で入行する前からブローカーと関係のあったことも発覚。(確かに今は個人情報保護がうるさくはなってはいますが、銀行まで採用候補者の身元調査さえ行なわなくなっているのでしょうか???)
そして一番吃驚したのが、この元行員が個人破産の経験があるというのに、採用しているという点。勿論個人破産といっても中には親の経営していた会社が破産したことに巻き込まれるようなケースもあるとは思いますが、まともな会社ならこのような前歴のある人間は経理などお金の絡む部署には配属しないものですし、銀行でもシステム部門など特殊な部署ならともかく、営業として採用するというのは考えにくいところ。それなのに、新銀行東京は、「過去の破産は採用には関係がない」と言い切っているのも、とてもお金を融資する組織とは思えない体たらくぶりです。
それなのに石原都知事は、『金融機能強化法改正案の審議で、新銀行東京を対象外にすべきだとの意見が出ていることについて「法律がゆがめられる」』などとまたまた感情に走った発言をしているようですが、都知事は本気でこんな銀行を名乗ることさえ恥ずかしいような組織相手に、公的資金(税金)を投入することができるとでも思っているのでしょうか…。
逮捕されたブローカーに限らず、ブローカーの間では『新銀行東京の審査は消費者金融の審査よりも緩い』とさんざんバカにされていたことは周知の事実ですし、どうも都知事本人は申請する気まんまんのようですが、救済すべき金融機関とそうでない金融機関を選別するのは常識以前の話ですし、万が一にも、暴力団やブローカーに資金が流れている捜査をしている真っ最中の金融機関相手に公的資金など投入などすれば、それこそ日本の金融制度の信頼性そのものを世界から疑われかねないと思います。
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