日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

志水辰夫著「暗夜」

2010-09-03 | 読書
親戚の小学生に付き合ったブックオフで買った1冊
定価1700円が、900円を値下げしてなんと105円!
カバーも中身も新品同様なのに!

2000年3月出版 マガジンハウス刊 志水辰夫著「暗夜」



中国と日本の関係が変わった事を痛感しながら読んだ。
今や中国の国力が上がり、ビジネスや観光は均衡から依存の状態に近づきつつある。
が、この本の出版された10年前は、怪しげな商売が横行し
中国貿易と聞いただけでうさんくさく感じる時代だった。

そんな時代の中国人と日本人の無頼者達(?)の物語りだ。
関西の刑務所で4年過ごし東京に戻った主人公
中野の弟が暮らしていたマンションに住み付く事になり
殺された弟の近辺を探る。
決して怪しい出ではなく、お金持ちの母親が居てお金に困る事はない。

ビジネスに日本にやってきた中国人が苦手な中国人達
虚勢を張って顔を隠して仕事をする反社会的な集団の会社のめん面
骨董店を営む和服姿の上品そうな人
中国と行き来をする団体のトップ
全てが無頼な輩だった。

この本の運びは主人公の思惑や考えが言葉にならない事
相手の考えや成りを言葉にして行動で示す。
正義心や義侠心は存在しない主人公
最期の最期で、やはり主人公も無頼者・・と考えが至る。

先の見えないまま(ほとんどの物語はそうだが)読み進み
あちらこちらを壊しつつ、利権の頂点に立った結末。

中国との関係は変わった!
痛感させられる一冊でした。
コメント
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