日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

垣根涼介著「光秀の定理」

2017-01-20 | 読書
年末から今年に掛けて読んだ一冊

垣根涼介著「光秀の定理」角川文庫刊



好きな作家の一人垣根涼介の時代物
どちらかと言えば時代小説は積極的には読む方ではないが
あのギャング少年や「君たちに明日は無い」の若者の著書が多い作家が
本能寺の変の謎をどう捉えるか? 興味があった。

読み始めて驚いた。
室町時代と安土桃山時代の狭間の京が荒れに荒れていた時代
相国寺の近くの辻きりでお金を巻き上げどうにか生きている若い侍
その侍に付きまとう得体の知れぬ坊主・・2人が主人公
坊主は簡単そうに見える賭け事で糊口を凌いでいたが
凄腕の若侍にはまやかしでない賭けの謎が解けない。

とある夜、目を付けた武士が明智光秀
何故か切り合いにならず、見逃したお礼に光秀が2人をとある屋敷に招く
そこから、時代が動きだし、光秀の真っ当で生真面目な叡智が絡みあう。

侍と坊主の2人も、暮らしに困らぬほどの居場所を見つけ
光秀の息抜きと発想の源になる。

とあるきっかけから信長の家臣に取り上げられて
出世街道を駆け上る。

見目麗しい若武者だった光秀が、老け込み本能寺の変が起こる。


坊主の賭け事の謎をいち早く溶いたのは光秀の妻
光秀も解き、信長も理解したようだが、
賭けの謎が本題深くに関わり進むが、凄腕の侍同様早々とギブアップした。

時は秀吉に移り、京も安泰となった時代
坊主が引退を(?)決め、田舎に向かう
坊主が繰り広げる謎の推測
そうかも・・思える「光秀の定理』でした。

私も窮屈な世の中は勘弁して欲しい・・

グイグイ引込まれて、読み終えるのが惜しまれる一冊です。
コメント
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