日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

桐野夏生著「日没」

2023-11-10 | 読書
一昨日読み終えた桐野夏生著 
「日没」岩波書店刊

とても怖い内容で、一旦やめて
他の本を読んでから読み続けた。

近未来か裏社会か映倫ならぬ文倫のある時代の日本
海の向こうの大国でもまかり通っている世界なのかも、、

文倫から反社会的な本を書いていると著者に呼び出しがくる
行けば反論は通らない世界
自作の擁護をすればするほど窮地に陥り
否応なく粗末な独房に閉じ込められる。

食事は粗末な上、量が少なく
ついガツガツと食べてしまう。

時に呼び出され、反省したか確かめられるが
意志強固な作家は反論して余計なドツボに嵌る。

ほんの少しの希望を見つけて
所長や医師の意に染まるようにするが
作家たるもの反社会性な思考がないと(勝手な思い込み)
なれない職業にして、
つい、激論になり暴力も出てしまう(自己に忠実?)

ニッチもさっちも行かない状況になり助けの手が・・



どうにもこうにも、希望が湧いてこない物語ではある。

桐野夏生にしか描けない物語。

随分前に見た映画華氏451
まだ希望が持てる側面があったが
「日没」は希望のかけらなし

桐野夏生は自由なものがいくらでも書ける(?)日本で
追い詰められることがあったのだろうか?

そういえばまだ、末尾の解説は読んでいなかった。
気分を落ち着かせてから読みたい。
コメント
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