日々好日・いちよう

ちょっとした日々の一コマです

星岡「跡見の茶事」

2008-05-22 | 趣味・遊び
日曜日にはお茶事があった。
星岡」に通いだしてからかれこれ15年
今までのお茶事のリストを見てもらうと
「端午の節句の茶事」だけが残っていたので今回はそのはずだった。

ところが寄り付きや待合の軸や飾り物は「渋い」ものばかり
鍾馗様もいなければ、菖蒲も見当たらない。
なにか特別な趣向でも・・と席入り
お軸は始めてみる読めない文字
お隣の趣味人さんは「厶かも?」無??



ご亭主の説明ですべて納得
最近、著名知識人をお招きしたお茶会を開いた。
その方の趣味趣向を調べ、著作を読み付くし、道具立てをし、とても好評だった。
「本来なら、依頼があって初めて開く跡見ですが
この機会を楽しんでもらえるはず、と思いました」とか
一同喜び「まあ楽しみです」お正客(私は4客め)
(注:跡見の茶事=参会出来なかった人のために、同じ趣向同じ道具立てで行う茶事
   跡見に限って客側から申し入れる)
・・それで、いつもは少し派手目、少しお茶目な道具立てのご亭主が渋く決めたようだ。
著名知識人(学者)はときに3チャンネルに登場し(見ました)、
茶人としても有名らしい。

懐石は渋いながらもモダンな「日月碗」に甘鯛若布馬鈴薯包みが香り高い


(星岡の先駆者魯山人の得意料理とか)
次から次へと続くお料理を楽しみながら拝見する道具は


(写真はお点前終了後)

古そうな「風炉先」銀箔が変色した渋さ
始めてみる「三成棚」に「古瀬戸」の水差し
気心の知れた(ご亭主の弁)おばさんばかりのお茶事と違い、
この前は緊張しながらも打てば響く会話が弾み
末客さんに「舞台を見ているようだった」といわれたそうだ。
丁々発止のやり取りだったのだろう。
(私達の場合はのんびり穏やかな空気が漂う)

席改めの後は大山蓮華の白い蕾に赤い河原撫子がかれんなお茶花
仕服に入った黒棗
一気にお抹茶を茶碗に開ける見事な手さばき
感心しつつ美味しいお濃い茶を味わい
つづいたお薄は太宰府から取り寄せたお菓子

たばこ盆にも驚かされた
刀の柄と鞘でこしらえ、腰に巻く紐通しの輪(?)までがみえる。


(「これで人をあやめたのだろうか?」と思うと恐ろしいものはあるが)

「明治になって不要な刀が使い回されたようですね」とのこと
刀は今なら大変な「お宝」なのだろうが
このたばこ盆もお宝に違いない。

いつもはお道具の拝見で終わりになるはずが
すべての箱書きを公開し、著名人の手紙を軸に仕立てたのを広げ
その間のエピソードもお話しして下さった。

お茶事だけでなく綴じ込み付録まで見せてもらえたような
一期一会のお茶会でした。

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