懐かしい名前が帰ってきた。
93年に初めて蘇永康を知る前に、何人かいたお気に入りの歌手のひとり、李國祥。英語名K.C.リー。91年にデビュー、低めの深みのある声で、「餘情未了」などのヒットがある。「餘情未了」元歌のチャゲ&飛鳥をはじめ、日本の曲のカバーが得意だった。96年ごろから表に出なくなり、最近は福祉関係の仕事をしていると聞いていた。
その彼の名前を、さっきTVBの番組「勁歌金曲」のサイトで見た。「為什麼」が「来週の挑戦曲」(今週、重点的にオンエアする紹介曲)のひとつになっている。試聴してみたら、作曲は五輪真弓とクレジットにある。相変わらず深みのある声で、「~ng」という音の「ng」が長い特徴のある発音も変わらない。元気なんだと思うと、嬉しかった。
この人の曲を初めて聴いたのは、92年頃。2ndアルバムの先行オンエア「摘星的晩上」だった。きれいな歌詞のラブソングだが、あとで元歌が円広志とわかってびっくり。2ndアルバムがよかったので1stを聴いたら、2ndに比べるとかなり暗~い雰囲気。でも彼の声には合っていた。専門家の評価は1stがすごくよかったらしく、2ndは「1stが芸術的に高い水準だったのに、2ndで妥協してしまった」と評されたが、私は1stの暗い路線を2ndで続けなくて正解と思っていた。
実際、一作ごとに明るく、若く(?!)、元気よくなって、アイドル系のルックスではないものの、若手タレントに混じってテレビには時々出ていた。プロデューサーは最初は倫永亮が主だった(1stのイントロで美しいピアノを弾いている)が、だんだんほかの若手ミュージシャンも使うようになった。「餘情未了」ヒットの後は北京語市場にも進出していた。
そんな彼のつまづきは、95年秋に出たアルバムの不振からだったか。運の悪いことに所属レコード会社が香港から撤退を決めた。続いて出した北京語アルバムも、プロモーションが十分にできなかったようで、ヒットに至らなかった(山下達郎の「さよなら夏の日」のカバーなんか、とてもよかったんだけど、、、)。そのまま、彼の消息は聞こえてこなくなった。
2、3年前になって、ATVのドラマ主題歌に彼の名前を見つけた。少し声が細くなって、長らく歌っていなかった感じだった。ATVで主題歌を歌っていては、TVBでオンエアされることはない(香港ではTV局とタレント・歌手が専属契約をしていることが多く、TVBの歌手はATVに出ないし、その逆もない)。視聴率でTVB一人勝ちの香港では、TVBでオンエアされない歌手は注目されにくい・・・。それでも、歌の世界にまだいることがわかって、少しほっとしたのだった。
昨年、黄凱芹(クリストファー・ウォン)がコンサートをやるとき、ゲストに出るという噂が出た。「このコンサートは後でVCDを作らない」という宣伝文句(?!)だったので、ちょっと心が動いたが、結局行かなかった。倫永亮と二人で出てきて、“左倫右李”(譚詠麟と李克勤の“左麟右李”のもじり)をやったそうで、ちょっと惜しいことをした^^;
先日、EOLAsiaという音楽配信サイトで、かつて關淑怡(シャーリー・クワン)が歌ってヒットした「一首獨唱的歌」(元歌は中村雅俊の「ふれあい」)が李國祥の歌で配信されていた。さっきもう一度見たら「為什麼」も配信になっている。もしかして、懐メロ系カバーアルバムでも作る計画があるんだろうか? そんな形でも新譜が出たら、嬉しい。
彼に思い入れがあるのは、つい、蘇永康と比較するからだ。ルックス、スター性ではなく、歌唱力、作品で勝負する歌手が香港で生き残っていくのは、本当に難しい。蘇永康だって、“いつのまにか消えてしまう”危機が何度もあったんじゃないかと思う。いくつかの偶然と何かの違いで、今、彼と蘇永康は大きく違ってしまった(もっとも蘇永康も最近は苦労しているけど、、、)。とはいえ、彼の歌を聴きたい人がいるなら、ほかの仕事をしながらマイペースで歌うのも悪くはないかもしれない。理想とは大きく違うかもしれないが。
ちなみに、劉小慧と同じレコード会社だった関係で、今でも劉小慧・蘇志威(草[虫孟]のメンバー)夫妻と仲がいいらしい。蘇永康とは、テレビドラマで一度共演したことがある。
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HO太さんにとっては(^^)
けれど、心に留めてると、どこかでひょっこり、消息を知ることにもなるから
やっぱり、忘れられないんだよね
サザンのカバーなんてしてたのを聴いたことあるけれど、好きだったな
このテンプレート、夏らしくていいね!
カバーが多い人だったから、その後のオリジナル重視の流れに乗るのも難しかったかもしれない。今考えるとそんな気もします。
リメイクアルバムって、意外と狙い目だったりしてね。若い、勢いに乗ってる人はやらないことだし。
夏休みモードのテンプレートで、たくさん書くぞ!