草莽隊日記

混濁の世を憂いて一言

肺腑を衝く旧会津藩士井口隼人の絶命詩

2010年08月21日 | 思想家
 いつの時代にも国を憂いて決起した若者はいた。明治維新後の旧会津藩士とて例外ではなかった。幾人かが刑場の露と消えたのである。そのなかに井口隼人もいた。旧会津藩が転封された斗南藩の小参事となり、その後に政府攻撃の評論新聞社を成立した永岡久茂とともに、明治九年、井口は千葉県庁を襲撃しようとしたが、事前にことがもれ、警察官との間で斬り合いとなって捕縛され、四週間後に斬罪に処せられた。世にいう「思案事件」である。旧長州藩士の前原一誠らによる「萩の乱」に呼応しようとしたのである。武力によって明治政府に楯突こうとしたが、志を果たさないままに、若い命を散らしたのだった。いかにかなわぬ夢であっても、身を捨てることを潔しとするパトスは、旧会津藩士のなかにも脈打っていたのである。おびただしい骸を乗り越えて、歴史は刻まれるのだ。どのような結果になるかは、神のみが知るだけであるが、それであっても、若者は変革者たらんとするのである。井口の絶命詩は、その心意気を語っており、後に続こうとする者の肺腑を衝くのである。

碌々(ろくろく)生を偸(ぬす)むは我が慙(は)ずる所
年華二十已(すで)に三を加ふ
精心百折すとも曾(かつ)て撓(たわ)まず
報国挺身即ち是れ男なり
            
 詩は松本健一の「歴史の底の冷たい炎」(『日本及日本人』・1976年盛夏号)より引用  

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自民党は菅政権を解散総選挙に追い込め

2010年08月21日 | 政局
 民主党がガタガタしているのに、自民党は一体何をしているんだろう。棚ぼたで政権が転がりこむと思っているのだろうか。それとも、小沢派、反小沢派のどちらかから、誘いがくると待っているのだろうか。あまりにもだらしな過ぎる。今こそ自民党は、解散総選挙を要求して、反政府のデモンストレーションを繰り広げるべきだろう。とくに、最近の円高と株安は、あまりにも異常な事態である。経済に無知な菅直人政権では、手の打ちようがないのが実情だ。民主党をヨイショしていた榊原英資までもが、悲観的な見通しを述べている。円高が史上最高値を更新する可能性があるばかりでなく、円高を敬遠して、日本の大企業が、主力工場を海外に移転することが危惧されているからだ。そうなれば、失業者が増加し、社会不安も高まってくるに違いない。しかし、そうした危機が目前に迫っているのに、民主党内は、小沢か反小沢かでヒートアップしている。「国民目線」というスローガンも、空々しい限りだ。国民の怒りを代弁するのは、もはや自民党などの保守派しかいない。先の参議院選挙で自民党が勝った一人区は、いずれも所得が低い地方であった。勝ち組ではなく、負け組みの支持を受けたのだった。今後は、最悪な事態が予想されており、それを阻止するためにも、自民党は立ち上がるべきなのである。それをしないならば、自民党もまた、国民から断罪されることになるだろう。

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菅周辺が今さら反小沢とは笑止千万

2010年08月21日 | 政局
 民主党は、豪腕の小沢一郎のおかげで政権の座についたわけだから、今さら親小沢だとか、反小沢だとかいうのは、笑止千万ではなかろうか。小沢だって、菅直人首相の周辺からは、味噌糞にいわれては、バカらしくてやってられないはずだ。もはや党内の抗争は決定的である。サヨクの内ゲバが血みどろのものであったのと同じで、エスカレートするばかりで、お互いに妥協する度量がないからだ。塩野七生ではないが、小沢がやるべきことは、保守大連合のために、民主党をぶっつぶすことではなかろうか。健全な保守政党の復活に道筋をつけることで、これまで彼自身が仕掛けた騒動劇に終止符を打つべきなのである。「脱官僚」とかの小沢の政治的な主張は、それなりに傾聴に値することは確かだ。だからこそ、中曽根康弘元首相が評価するのだろう。しかし、政権を手にするためには手段を選ばず、民団と手を組んだり、サヨクにも媚びたりしたことで、保守派から猛反発を受け、結果的に墓穴を掘ることになった。汚職がどうのこうのというよりも、国益をそこねた責任は重大だ。罪滅ぼしというのではないが、もうここまでくれば小沢も、覚悟を決めるべきなのである。そうでなければ、人材も政策もない菅政権が、このままダラダラ続いてしまうからだ。平成になってからの日本の政治劇場においては、場面が何度変わっても、小沢は準主役の座を確保してきたが、もうそろそろ限界ではなかろうか。今となっては、引き際をどうするかだけなのである。

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