YOMIURI ONLINEの記事をチェックしていたらば、民主党政権が大喜びしそうなことを大々的に伝えていた。「積雪が放射線量を遮る」という見出しで、福島県各地で測定されている空間放射線量が1月下旬に大幅に減少したのだという。嗤ってしまったのは、とくに減少幅が大きかったのは、浪江町や飯館村であるということだ。これを書いた人間は、福島県のどこが雪が多いかも知らないのだろう。福島県は会津、中通り、浜通りと三つに分けられる。とくに豪雪地帯であるのは会津地方で、シベリアからの季節風が奥羽山脈にぶつかって、雪を降らせるのである。浪江町や飯舘村のあたりは、滅多に雪も降らず、冬でも温暖な気候で知られる。私が住んでいる喜多方市などは、今日は少しは暖かかったが、見渡す限り雪景色である。積雪で放射線が遮られるのであれば、もっとも影響が出てよさそうだが、今手元にあるウクライナ製の線量計は、1時間あたり0.12を指しており、ここ何ヶ月も同じだ。読売新聞の記者は、文部科学省からの情報に飛びついたのだろうが、どうせだったらば、豪雪地帯の会津地方を取り上げないと、まったく意味がないはずだ。さらに、浪江町と飯舘村について、福島気象台の話として、「両町村で積雪の観測は行っていないが、気温などから雪が降ったと推測される」と言うのだから、それも心もとない限りだ。しかも、仮に積雪で遮蔽されたとしても、その後が問題ではないか。雪解けとともに、山に降ったセシウムが平坦部に流れ込んでくるからだ。記事にするのであれば、そこまで考えるべきだろう。
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