「テレビは百害あって一利なし」であるのを、ようやく国民が理解するようになったのではないか。森友学園騒動はようやく収まりつつあるが、火をつけたテレビが責任を取らないのは、いつもの通りである。山本夏彦の言っていたことが、やっぱり正しかったのである▼国有地の払い下げをめぐる疑惑は、そもそもの前提が違っていたのである。ゴミが埋まって価値がないにもかかわらず、隣接の野田公園が国からの補助を受けるために高く設定された。これで地価が上がっただけであって、本当は高額な土地ではないのである。テレビは本当のことを伝えず、反安倍のキャンペーンに利用した。その事実を報道しないで、騒ぎ立てただけなのである。誰がどんな発言をしたかは、記録として残されており、必ずや裁かれる時があるだろう▼山本は木戸銭を取ることを提案していた。タダだから暇つぶしにテレビを見るというのだ。「さすればテレビを見る時間は、老若を問わず激減し百害の半分はなくなる」(『死ぬの大好き』)と喝破したのである。山本のテレビ嫌いは有名であったが、そこまでしなくても、確実にテレビ離れは進んでいる。20代や30代の若者はネットで情報を収集している。イデオロギーを振りかざすテレビなどは、相手にしていない。レッテルを張ることしかできない、識者やコメンテーターの意見を聞きたくないのである。それにテレビ業界は気づいていないようだ。お目出度いにもほどある。
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