日本のマスコミの偏向が目に余る。とくにテレビが酷過ぎる。もしネットがなければ、ミスリードに騙される人たちが多かったのではないだろうか。大塚桂の『政治学原論序説』では、マスコミの任務として「公共問題に関する情報や討論、あるいは論争を提供することによって政治制度に奉仕すること」を挙げている。民主主義を維持するためには、自由な討論や論争の場がなければならず、それがマスコミの本来の役割なのである▼大塚はマスコミの問題点として「国民はマス・メディアに対して反論したり抗議すること(アクセス権)はない」「マスコミは大衆の好みにあうようにシンボル操作を行う」ことを指摘している。もともと「マス・コミュニケーションは、大衆社会にあって孤立化したひとびとに一体感をあたえるために発明された」のであり、画一化への危険性が常に伴うのである▼今の日本のマスコミがやりたい放題であっても、かろうじて混乱せずにすんでいるのは、ネットが許さないからだ。マスコミは大衆に迎合するようなシンボル操作を行ってレッテル貼りをするだけである。テレビに登場するコメンテーターの劣化は誰しもが認めるところで、それを一言二言揶揄すれば、ネットでは拍手喝采である。マスコミを批判するオピニオンリーダーがネットではスターなのである。10年前には考えられなかったことではないだろうか。
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