日本を貶めてそんなに嬉しいのだろうか。今日の朝日新聞の大野博人の「4拍子のワルツで踊る勅語」などはその典型である。教育勅語の親に孝行とか、兄弟、姉妹や夫婦が仲良くといったことも、大野は気にくわないのである。「うんざりするほどありふれた徳目」と斬って捨てる。滑稽なのは「どんな親でも愛せるか」とさもしたり顔に述べているが、自分はまともな親だと思っているのだろうか▼なぜに大野が教育勅語を批判するかといえば「日本の専売特許とは言いがたいような徳目で外国から尊敬を集めようなんて」と皮肉るのである。道徳は普遍的な価値であり、それをどのように伝えてきたかは、それぞれの国柄によって異なる。大野は何を言いたいのだろう。文章自体が支離滅裂である▼本当は天皇を否定したいのだろう。正直に述べればよいのである。太宰治まで引き合いに出しているが、敗戦を境にして、太宰が天皇主義者になったことは知らないのだろうか。天皇が「無」であることの重要性を、西田幾多郎や小林秀雄が主張していたことも理解できないのだろう。勝手に「日曜日に想う」のはいいが、もう少しまともな書き方をしたらどうだろう。鶴見俊輔や竹内好のような論陣を張れないのだろうか。今の朝日新聞にはこの程度の編集委員しかいないのである。
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