マスコミや特定野党の行過ぎを批判しているのがネットである。一口にネットといっても多様性があるが、今のところはコモンセンスに立脚する保守派がリードしているのではないか▼中村雄二郎は『考える愉しみ』においてコモンセンスについて論じ、小林秀雄の「常識」の文章を引用している。「常識は、何事によらず、行過ぎといふものを好まない、たゞそれだけの事に過ぎないのかも知れない」。自由主義とか民主主義が全体主義や貴族主義より優れたものと考えるのも、その点においてであり、小林は「さういふ主義を発明し、実行に移してみて、苦労した国民にとっては、自由主義も民主主義も、恐らく、思想や知識として理解されてゐるといふより、道徳として感じられてゐるであらう」と書いたのである▼そうした小林の直感的な理解を踏まえて、中村はコモンセンス=共通感覚を総合的な身体感覚として捉えなおそうとしたのだ。そんな難しい議論とは別に、今の我が国ではコモンセンスが息づいており、それがネット言論なのである。よく「ネトウヨ」とレッテルを貼る人たちがいるが、それは間違っている。名も無きネット民に、大それた思想があるわけではない。イデオロギーや右左ではなく、あくまでも行過ぎを問題にしているだけだ。日本国民を分断させ、混乱を起こそうとしている勢力を許せないのである。
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