珍しく平戸人としては『まあまあ』のアジを見つけました。それで夜の献立を急きょ、夫の言う『ちゃんこ鍋』こと、アジのつみれ鍋に変更・・・・・お野菜の顔ぶれも変更・・・・・ちょうど美味しい春キャベツにニラ、それにいつもの青菜にえのき茸・・・・・
この鍋料理は以前お料理教室でも実習したことがあります。海岸に住んでいて、お魚もさばけないのではなさけありません・・・・・日頃お魚やお肉を食べない人達も、水炊きならば敷居も低いし・・・・・それに、どうしてもの時には好みで取り分けられます。マクロビオティックに付き合ってくれている人達にも好評です。マクロビオティックの教室で、お魚やお肉の取り扱い方の講師になるというのもいいかもしれない、と思っています。どんな風に扱って、どんなものを取り合わせるか・・・・・そういうのも実際的かもしれません。
アジは真アジでなければなりません。よく丸アジを店頭で見ますが、あれはサバに近い味なので水炊きには向きません。三枚おろしにして、腹骨をすきとり、皮をはぎます。(この段階で、例のイキな塩洗いをします。アジの状態によっては『ぶくぶく装置』の出番になったり・・・・・天然の生きているようなアジなら、そのままで大丈夫です。)細かく刻んで叩いて・・・・・予め青ネギと生姜のみじん切りにお味噌を少し加えてすり鉢ですり混ぜておきます。そこにアジを叩いたものを加えて擂り、塩と片栗粉とお酒を加え、さらに擂って『つみれ』を作ります。アジの状態で卵を加えることもあります。
もちろんフードプロセッサーで・・・・・という選択もありますが、『すりばちとすりこぎ』で作るのを止めるつもりはありません。荒々しすぎる・・・・・などという波動の話になる前に、何よりも何よりも、擂り具合の歩止まりを自由に調節できるんです。ちょっと粗め・・・・・というのが、私達の好みのつみれです。一人では難しい???・・・・・でも大丈夫です。流し台や柱などの前の床にタオルを敷いてすり鉢を据え、両膝ですり鉢を固定すれば助手は要りません。
何しろ『ちゃんこ鍋』(このメニューは、昭和50年代、東京にいたころ花籠部屋出身のお相撲さんのちゃんこ鍋屋さんの見様見真似なんです。)ですから、キャベツなどのお野菜は大きく手でちぎります。お豆腐や白身のお魚、メンバーによっては鶏肉を加えることもあります。たれはお醤油ベースです。アジはお醤油、イワシはポン酢・・・・・これは変えられません。お醤油を昆布だしで割って、ネギとすりごまと好みで七味唐辛子を添えます。
そして・・・・・翌日のお昼は残ったスープで『雑炊』と決まっています。この雑炊には玄米ご飯がピッタリです。キャベツとエノキ茸の粗みじん切りをスープで煮て塩(イキな塩)で味を調えほぐした玄米ご飯を加えてひと煮立ち、そして青ネギの薄い小口切りをたっぷり加えるだけ・・・・・卵は使いません。ニラもお昼なのであまり使わないようにしています。
夫は大満悦でした。考えてみればずいぶん久しぶり・・・・・去年の膵炎騒動の9月以来、初めてでした。水炊きだとあまりお野菜を食べてくれない人も自然にたくさん食べます。息子たちからは、嫁に教えてくれと頼まれています。我が家のお嫁さん達が一息ついてその気になってくれたら、息子の願いをぜひかなえたいと思います。試してみようと思われる方は、このおいしい春キャベツの季節に是非お試しください!!!!!